
生活に必要不可欠な水。いままでいろんな国を旅行したり、住んだりしてきましたが、日本ほど水道水がきれいで困らない国はありませんでしたね。
なんでも日本でトイレを流れている水は飲んでも大丈夫なくらい質が高いそうですが。
そういう国から来た私たちが、来タイしてすぐに頭を悩ませるのは水のことではないでしょうか?
タイの片田舎に住んでいる私の家族ですが、自宅アパートでは基本的に自炊していますし、浴槽はありませんが毎日シャワーを浴びますし、食器を洗ったり洗濯したりもしますので、今日はうちではどう水をやりくりしているか書いてみたいと思います。
タイの水道水、飲む人いる?
「この人は何を話してるんだ」っていう顔をされました...
水道水を飲む、という考え方自体がどうやら「存在しない」ようです。
まあたしかに、大学にもウォーターサーバーが至る所に設置されておりますので。
ホテルに宿泊すると、よく洗面所に「Not for drinking (飲用ではありません)」と張り紙がしてあることがありますが、ホテルのロゴが入ったペットボトルの水が部屋にサービスでついているのは、水道水が飲めないからなんですね。
タイも上水道設備は整っていますし、とある雑誌の記事でバンコクの水道局へのインタビューがあり、
というやり取りを読んだのですが、問題は水道管らしく、蛇口から出る水には「泥やさびが混じっている」という話をよく聞きます。
実際、日本に一時帰国して帰ってくると、水道水のにおいが気になります。まあ2~3日で慣れてしまうんですが。
ところで、私が住んでいるアパートとその周辺では、年に2回ほど水道管や貯水槽のクリーニングがあり、そのたびに断水します(泣)。

うちのアパートで断水を知らせる案内。
そして復旧したあとは、泥だか錆びだかわかりませんが水が茶色く濁っているので、アパート内のすべての蛇口を全開にして、水が透明になるまで数分間水を出しっ放しにします。
高層階に住んでいると、断水後に水圧が弱まって蛇口から水がチョロチョロとしか出なくなることもあるので、アパートのスタッフを呼んでその調整をしてもらうこともあります。
しかし、タイの水道局の名誉にかけて言うと、タイに来た当初、15年前はよく水道水が濁っていましたが、これまでにだいぶ水質が改善してきました(←これには奥さんも頷いています)。
普段の生活
一時期、アパートに備え付けの水の販売機(1リットル1バーツ)で買っていたこともあります。
水道水を浄化して売っているのですが、空の容器を持って階下に降り、水を詰めた後また部屋に戻るのが面倒だった(よく蚊に刺された)のと、湯沸し器で沸騰させていたところたびたび湯垢(白い粉、カルシウムらしいです)がついて掃除が大変だったのでやめました。
この、見るからにボロい自販機の浄水器のクオリティーをあまり信用していなかったのもあります...
というわけで、タイにお住いの日本人家庭では、
- 高性能な浄水器を取り付けるか、
- 飲料水の宅配を頼むか
の2択、ということになると思います。
まあ、独身の方やお子さんがいらっしゃらないご夫婦だったら、毎回ペットボトルの水を買って済ませてしまうかと思いますが。
バンコクにお住まいなら、家庭用浄水器は蛇口取り付け型、流し台据え置き型などいろんな種類があり、性能もかなり良いとバンコク市内在住の方から伺いました。
シャワーにも取り付けられるものがあり、お肌の弱い方や、デリケートな髪の方におすすめです。
しかし!うちは典型的なタイのアパートで、もともとキッチンがない(自分で勝手にキッチンスペースを作りました)ということと、アパートの規定で勝手に浄水器を取り付けることが出来ないという理由で、宅配を頼んでいます。
スプリンクルというブランドで、バンコクの日本人のご家庭でも利用されている方が多いようです。
1年有効のクーポンを購入し、電話かメールで配達の依頼をするのですが、お値段は18.9ℓのタンク24本で税込み1,669バーツ(宅配料込み)。1リットルあたり4バーツ以下と、かなりコスパがいいです。
また、水質もよく、変なにおいはまったくしませんし、沸騰させて湯沸し器に湯垢が付くこともまったくありません。
配達日の朝に、このようにクーポンを透明のポーチに入れ、タンクをアパートの玄関先に置いておくと、夕方帰宅した頃には水が入った新しいタンクが同じ場所に置いてあります。
重いですが、アパートには備え付けのカートがあるので、それを使って部屋まで運んでいます。
そして、この別売りの電動ポンプで水を汲み出すのですが、このように水の量が少ないとポンプの先が届かず、ポンプを外してタンクを持ち上げ傾けて水を出すことになるのが難点です。
水の使い分け
この貴重な宅配のお水は料理全般(お米研ぎ、野菜洗いなど)、お茶やコーヒーに使っていて、洗濯、食器洗い、シャワー、洗顔、歯磨きは水道水を使っています。
これでこの生活をもう10年以上続けていますが、今のところ健康を害したりということはありませんよ。
まとめ
タイでは、水道水はあくまでも生活用水という位置づけなので飲んではいけませんが、シャワーや歯磨き、うがいくらいでほんの僅か口に入る程度であれば、タイ人だけでなく在住者の方々も大丈夫と言っています。
ただし私たちは、アパートが断水した後の数日間は、念のため歯磨きやうがいもペットボトルの飲料水を使っています。
食事の支度は、うちは飲料水の宅配サービスを利用していますが、浄水器を取り付けるということもできます。
日本に帰国した折、技術者としてインドネシアに赴いている友人が「現地でシャワーを浴びるときは、頭を洗うときに指の爪を立てないようにしている」と言っていました。
うーん、私はそこまで気にしていませんでしたが、それくらいした方がいいのかな?