
Grabはシンガポールに拠点のある配車アプリ運営会社で、東南アジア一帯で活発な事業を展開しています。
タイでは2013年8月にGrabTaxi(グラブタクシー)のサービスを開始し、現在ではCar、Bike、Food、Deliveryの4つサービスがあります。
このうち、Car(配車サービス)にはGrabTaxiとGrabCarの2つがありますが、大手タクシー会社や個人タクシーの運転手とも提携していて、いままで散々態度が悪いタクシー運転手にまつわる話を聞かされてきた人にとっては、Grabを利用する際にも不安を覚えるのは当然です。
どんな交通手段でも危険にさらされることはありますが、Grabを少しでも安全に利用するためにできることがいくつかありますので、ご紹介したいと思います。
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1.運転手の評価を確認し、利用後もしっかり評価する
Grabの運転手は、登録時に顔写真、IDカード、運転免許証、車両登録証、銀行預金通帳、車が自己名義でなければ車の所有者の承諾書を提出していて、身元はしっかりわかっているはずですが、ユーザーがどんな運転手なのか判断できる唯一の材料はアプリに表示される☆の数になります。
すでに東南アジアから撤退したUberのマレーシアでの話になりますが、運転手が強盗事件を起こして逮捕されるニュースがありました。
Uberはドライバーの評価を厳格にしていて、☆4.0以上のドライバーだけが運転を続けることを許可していましたが、事件を起こした運転手の評価は2.8だったとのことですので、このシステムが機能していなかったことになります。
私はGrabアプリをそこまで頻繁には使わないこともあって、いままで☆が4つ以下の運転手にはあたったことがありませんが、もし低評価のドライバーがあてがわれた場合、利用者にはキャンセルする権利があります。
予約をまたやり直すことはめんどうかも知れませんが、安全を第一に考えた方が良いでしょう。
あなたのフィードバックがひどい運転手を締め出し、今後の利用者の安全を確保するのに役立ちますので、利用後は必ず運転手を評価し(☆をタップするだけです)、もし何かあればコメントを送信しましょう。
2.間違って別の車に乗らないようにする
車に乗る前に、ナンバープレート、運転手の写真と名前がアプリの予約画面に表示されているものと一致することを確認します。
以前シーロムでGrabTaxiを使ったとき、同じように予約客を待っていた運転手に呼ばれて車に乗り込んでしまったことがあります(行き先を確認して間違いがわかりました)。
過去には、運転手がアプリに登録されたのとは異なる車で乗客を拾おうとしたり、誰か別の運転手をよこしたりということがあったらしいので、注意しすぎるということはありません。
3.運転手と丁寧に接する
運転手とは丁寧な言葉遣いで接し、荷物を派手に車にぶつけたりドアを乱暴に閉めたりしないように気をつけましょう。
たいていの運転手は荷物をトランクに入れるのを手伝ってくれますし、トランクルームに入りきらない場合は座席部分に工夫して入れてくれますので任せましょう。
4.後部座席に座る
普通のタクシー同様、あなたが一人で利用する場合は、後部座席に座ることをお勧めします。
運転手との間に物理的なスペースを置き、なにかあったとき車から簡単に出れるようにするためです。
妻が流しのタクシーを拾ったとき、助手席に座るように言われたことがありましたが(もちろん乗車取りやめ)、もしそんなことがあったら丁重に断って後部座席に座るか、キャンセルして別の車を呼びましょう。
5.シートベルトを着用する
タイでは2017年4月より、運転席、助手席のみならず後部座席に座る人にもシートベルトの着用を義務付ける法律ができました。
この法律が施行されてからすぐGrabCarを利用したときに、ベルト着用を運転手から促されました。
日本でも同じですが、どんなに短い距離でもシートベルトをすることは車に乗る際の安全の基本です。
6.家族、友人などに知らせておく
用心深い人はすでにタクシーに乗る際に写真を撮ってスマホで送るといった対策をしていることと思いますが、ベータ版ではありますがGrabアプリにEmergency Contact(緊急時の連絡先)を追加できる機能がつきました。
- 乗車中に Emergency button(緊急ボタン)をタップしたとき
- Grabが異常を感知したとき(車が深夜に辺鄙な場所に向かっているとき)
登録した携帯番号に乗車内容がSMSで送られます。
Grabアプリで緊急連絡先を追加する方法は、
- Grabアプリを起動して左上の人のアイコンをタップ→
- Emergency をタップ
- 画面下のManage Emergency contacts をタップ
- ADDをタップして連絡先の番号と名前(本名でなくてOK)を入力し、Auto-alert(beta)をオンにして、右上のSaveをタップします
Grab利用中に事故が起きた場合
もし乗った車が事故にあった場合は、できるだけ安全な場所に移動し、
- まずは191(警察)に、医療処置が必要な場合は1669に電話してください(Grabアプリの Share my ride 機能を使って警察に移動経過を説明することもできます)。
- 次にGrabのヘルプセンターに事故を報告します。
- タイの交通事故救済基金に連絡し、医療費を請求します(運転手が加盟している強制保険から補償されます)←病院が請け負ってくれるかもしれません
- もし医療費がこの保険でまかなえない場合、Grabが差額を負担することになっています
最後に
私の周辺ではGrabに好意的なコメントが多いですし、利用に関してあまりナーバスになる必要はありません。
つまるところ、万が一の場合に自分の身を守るには、自分の直感を信じて、なにか変だと思ったら乗るのをやめるか、乗車中に異変を感じたら安全な場所でサッと車を降り、車の写真を撮っておいてGrabに報告する、ということになります。
特に、交通安全教育が未熟で法を守る意識の低いこの国では、ビジネスとしてはかなりのチャレンジだと思いますが、もっと安心して利用できるようサービスの向上に期待しています。