
みなさん、こんにちは。バンコク郊外の大学講師(@thaifoodfun)です。
突然ですが、仕事で2年ほど前に訪れたヤンゴンにまた無性に行きたくなってきました。
私が住んでいるタイのお隣の国、ミャンマーの以前の首都なんですが、荒削りというか雑多というか、現地人にとっても、観光やビジネスで訪れる外国人にとっても、だいぶ人や物や経済が流動が激しくなってきて、将来性を予感させる新興都市です。
なぜいま、ミャンマーという国を凝縮したこの町を訪れるべきなのか、ミャンマー人留学生やヤンゴンに住む卒業生から聞いた話などをまとめてみました。
コンテンツ:
1.観光ビザがもうすぐ不要になる
これまでもビザがオンラインで申請できるようになっていましたが、10月より日本からの観光客はビザなしで入国できるようになりました。
- 日本と韓国の観光客には、2018年10月1日から2019年9月30日までの1年間を試行期間として観光ビザを免除。
- ヤンゴン、マンダレー、ネピドーの3空港のほか、タイ国境のタチレク、ミャワディ、コータウン、ティーキーの国境ゲートからノービザで入国できることになった。
また、多くの批判が寄せられていた「入国の際に現金で1,000 USドルを所持していることの証明が必要」という条件に関しても再検討されたようです。
ミャンマービザに関する続報が出ました!
ホテル観光省が1日に発表ー!2018年10月1日から日本人と韓国人は観光ビザが免除されますが、
その際のUS$1000を見せなければいけないことについて、当面【延期する】と発表しました!
なので、観光ビザを取得せずにミャンマーへ入れますよー! pic.twitter.com/wX2jFBiTi7— ミャンマーオタク(留学) (@mingalar_myan) 2018年8月2日
2.LCCの台頭で、今までになく気軽に行けるようになった
バンコクからヤンゴンまでのフライト時間は1時間20分、これまで以上に多くの航空会社が運航しています。
曜日にもよりますが1日に20便ほどが運行されているようです。
日本からは全日空の成田からの直行便が就航していますが、バンコクからは
- エアアジア:2,470バーツ
- ノックエア:2,500バーツ
- タイ・ライオンエア:2,589バーツ
(本日のレートで2,500バーツ=約8,360円)という衝撃の安さ。
バンコクからだったら思い立ったらバスに乗る感覚でヤンゴンに飛べます。
日本からバンコクに来られて時間に余裕があり、一通り観光を済ませてさあどうしようか、という方はぶらっといかがでしょうか?
3.ホテルの宿泊料金が抑えられ、宿泊先を確保するのが難しくなくなった
以前は、ヤンゴンにはまともな宿泊施設があまりないという話をよく聞きましたし、民主化直後は外国資本の流入でビジネスマンたちが頻繁に訪れるようになり、宿泊料金の高騰に拍車がかかるといったこともありました。
4~5年前、ミャンマーの大使館の関係者の方から、標準的なシティホテルが東京の高級ホテル並みの値段するというお話も伺いました。
しかしその後は、大規模なホテルプロジェクトがいくつか手掛けられ、ザ・ストランド(過去記事も参照して下さい)を筆頭に、シャングリラや2017年に新しくオープンしたパンパシフィックのような一流ホテルでも宿泊料がだいぶ抑えられてきました。
ヤンゴンで一番新しいのはインヤー湖のほとりにできたロッテホテルですが、もう少し手ごろなところとしては、1960年代の倉庫を改築した32室のブティックホテル、ザ ロフト ホテルなんかもユニークで面白いです。
ミャンマー人は外国人を許可なく宿泊させてはいけない、という法律がいまでもありますが、Airbnbでは外国人用のアパートを日割りで貸し出すようなオプションも増えていますし、こちらのように一泊9~10ドルで泊まれるホステルなんかもあります。
4.様々な食事ができるようになってきた
ミャンマーは8つの民族で構成されており、食べ物も多様。 味は各民族でだいぶ違います。
人によってビルマの食べ物は油っこくて塩辛いかもしれませんが、カチン族やチン族の食べ物には油分がなく、多くのハーブが使用されていて、シャン族が作る麺料理も有名です。
おすすめのレストランはいくつかありますが、
- Mu Ai Kachin Foods (ヘルシーでおいしく値段も手頃)
- Padomar Restaurant (カチン族のエスニックな米から作ったスープが味わえる)
- Danuphyu Daw Saw Yee (安く質素だがローカルなビルマ料理が楽しめる)
- Khaing Khaing Kyaw (ここ10年くらいで知名度が増してきたローカルな料理店)
- House of Memories (ミャンマー独立の英雄、アウンサン将軍のオフィスとして使われていた場所で、メニューにはほとんどのビルマ料理のほかにタイ料理や中華も)
- Shan Yoe Yar (シャン料理で有名なレストランで日本語のメニューもあり、味付けは外国人客向けで食べやすい)
- Feel Myanmar Food (家庭料理や屋台料理などを提供するチェーン店)
しゃれたカフェやいいレストランも次々と誕生してきました。
地元の人々や旅行者に人気なのは、CNNの世界のベストティーハウス11選にも選ばれたラングーンティーハウス(Rangoon Tea House)で、ミャンマーの高地で摘まれた茶葉を伝統的な方法で焙煎したものや、ココナッツミルクでできた麺などの軽食などを提供してくれます。
ストランドホテルのすぐそばにある上品な古い建物の一角にあり、週末には混雑するユニオン バー アンド グリル(Union Bar and Grill)や、インヤー湖の近くにあり石焼オーブンで自家製ピザを焼き上げるヤンゴンのベストイタリア料理店、パラミピザ(Parami Pizza)など、
日本食レストランも増えてきています。
タイ全土に展開しているチェーン店、Fuji もヤンゴンに進出していますし、ヤンゴン初のオープンキッチンによる炭火焼の焼き鳥レストラン月光(Gekko)のほか、昨年2017年には一風堂がジャンクションシティ・ショッピングセンターにオープンしました。
5.観光ガイドが充実してきた
ヤンゴンの施設や建物の多くは状態が良くなく、汚れていて、廃墟と化しそうなところも多く存在します。
ですが、最近ピープルズ・パーク(People's Park、シュエダゴン・パゴダを眺めが最高なスポット)が新しく改修整備され、NGOによるブルー・プラック・イニシアティブ(建築・文化・自然遺産を修復し、各所の名称と歴史を解説したプレートを設置する)という、ヤンゴン市内の約200ヶ所の歴史的建造物の保護を行うプロジェクトが進められています(参考記事)。
いまだに多くの遺産が日の目を見ることができないのは残念ですが、嬉しいことに、こういった見どころを効率的に観光するためのガイドツアーが充実してきました。
フリー・ヤンゴン・ウォークス(Free Yangon Walks)は毎週月曜と水曜日の午後4時~6時まで、無料の市内散策ツアーを開催していますし、毎週金曜日の午後10時からは市内を巡る無料のバイクツアー(バイクのレンタルは15USドル)もあります。
以上の2つのツアーは英語のみですが、もちろん日本語のツアーもあります。
予算は、一日(8時間)日本語ガイドと専用車(4名まで)で99USドル(約11,200円)で、宿泊先のホテルに送迎する形になりますが、目的地が決まっていなくても相談に乗ってくれ、オプションで空港の送迎などもつけることができます。
6.開発前のヤンゴンの姿を見ておく最後のチャンス
急速な民主化と経済改革が進むミャンマー。
少数民族との和解はまだ進んでいませんが、現地の人々はミャンマー政府の前向きな解放姿勢を歓迎し、将来に対して多くの希望を抱いている一方で、あまりのテンポの速さに戸惑いも感じているようです。
もともとゆるやかなペースの国ですが変化が速すぎて、「この町は4~5年後には現在と比べてすっかり様子が変わっていると思う」とヤンゴンに住む卒業生の一人が話してくれました。
「アジアの秘境」が秘境でなくなる前に、近い将来に確実に消えていくであろう街の様子と文化を見てカメラに収めておくことは良いことではないでしょうか?