
「トゥーンさんっていう人が、フアヒンまで走ってお金を集めてるんだって。」
小学校に向かう車内のラジオから毎朝流れるニュースを聞きながら、息子が説明してくれたのが昨年12月。
そのトゥーンさん、お金をプラチュアップキリカン県の国立病院に寄付し、今年11月に始めた新たなプロジェクトとなる「タイ縦断ラン」も、昨日ついに完走!タイ最南端の町べトン(ヤラー県)から最北端のメーサーイ(チェンライ県)まで、グーグルマップ上で確認してざっと2,048km(実際の走行距離は2,215㎞)。なんと、車でぶっ通し走っても28時間かかります。Σ(゚Д゚)スゴスギ
トゥーンさんって?
トゥーンはニックネームで、本名アーティワラー・コンマーライ。
タイの人気ロックバンド、ボディスラムのボーカルで、バンドはトゥーンさんの独特の歌声とライブパフォーマンスで人気を博しています。
高校生のときからバンド活動を行っていましたが、進学した名門チュラロンコーン大学では、彼に教育を施すため懸命に働いた両親に報いるためにバンドを封印し、「ミュージシャンになれなかったときの保険として」学位を取得。
卒業後は自分の夢を実現するためにライブハウスで歌ったりしていましたが十分な稼ぎにはならず、大学の先輩の助言によりオリエント・タイ航空のフライトアテンダントとなるも、ギターをいつも持ち歩き、時間を見つけては楽器を弾いていたそうです。
半年ほど勤めた後、GMM Grammyから念願のメジャーデビューを果たしたとのことですが、あごひげ、ピアスにタトゥーと、典型的なバンドマンの出で立ちからは想像もつきません。彼の叔父さんはタイの老舗バンド、カラバオのリーダーでシンガーソングライターのエート・カラバオなので、ミュージシャンとしての遺伝子を持ち合わせているのかもしれませんね。
国民の声は?
今回のトゥーンさんの偉業達成を受けて、
などの声が上がってます。
医療機器不足と寄付金
タイの田舎の病院では予算不足、医療機器不足が深刻です。例えば、今回の寄付先の病院の一つであるナン病院では、もし受け入れができないほどの重篤患者が搬送されてきた場合、一番近くの設備の整った病院に移送するために3~4時間かかるということです。
タイ国民に少額の寄付を呼び掛けながら走り続けた結果、企業からのまとまった額もあり、集まった金額は目標の7億円を大きく超える11億バーツ。ヤラー、チェンライ、サラブリーなど11か所の地方病院に寄付されるそうです。
まとめ
沿道で待ち受け、声援を送りながらお金を渡す人々、しばらく並走する市民。
新たな英雄の誕生と、その行動に共感して一致団結してサポートをするタイ国民の熱いハートに心打たれた出来事でした。
貧困や医療問題は政治では解決できないのかな?こういう英雄の出現を待つしかないのかな?
いろいろ考えてしまいましたが、ぜひ一人でも多くの命が助かって欲しいと思います。