
タイを初めて訪れる旅行者にとっては、寺院でのエチケットというのはちょっとナーバスになることかも知れませんね。
実は、私はこれまで特に寺院を訪れるときの服装について特に意識したことがなくて、大学の同期生の女子旅2人組がタイに遊びに来た時も、

という質問に

なんてテキトーにしか答えていなかったんです。

ふだん自分があまりラフな格好をしないからなんですが。
後から考えてみると、私が長年タイに住んでいるからということでアドバイスを求められたのに、適当な受け答えしかしなくて申し訳なかったと反省。
服装に慎重になる方がいる一方で、最近はSNSなどで、日本人でもマナーが悪い旅行者がいるという投稿もちらほら見かけるようになりました。
タイはおおらかで「マイペンライ」の国ですが、その一方で寺院はとても神聖な場所。
いったいどこまでが許容範囲なんでしょうか?
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追記:タイの寺院でひんしゅくを買う日本人観光客が増えている!
ワットパクナムで顰蹙を買う日本人、ちょっと信じられない
これを拡散してください。#ワットパクナム #ワットパクナーム #バンコク #タイ #インスタ映え #インスタ映えポイントに群がるインスタ蠅 pic.twitter.com/b32n4dCWxr— たかすぎ (@jptokyo03) September 8, 2018
タイはとても魅力的な国ですし、日常から解放され羽目を外したくなるのは理解できます。
しかし、ほとんどのタイ人は敬虔な仏教徒で、修行をする僧侶に対してとても深い尊敬の念を抱いています。
寺院では敬意を払い地元の方々の迷惑になるような行為はくれぐれも慎んでください。
タイの寺院を訪れるときの服装
服装に関しては、タイで最も重要で格式が一番高い王宮(グランドパレス)がやはり厳しいですが、その他の寺院に関してはそれほどでもありません。
ですが、常夏の国タイでも寺院では肌の露出を極力控えるというのが常識です。
敬虔な仏教国であるタイでは、寺院は神聖なる信仰の場所です。
参拝するときは、節度ある服装を心がけてください。
ワット・プラケオ、王宮や一部寺院ではタンクトップ、ホットパンツなど極端に肌を露出した服装やかかとの無いサンダルでは入場できません。
男性でも女性でも、肩と膝を覆うというのが基本的なルール。
チェンマイの旧市街にあるワット・チェディ・ルアンの仏塔と見学時の服装に関する注意書き。
欧米人女性が警備員に呼び止められて、膝を覆うものを着用するよう注意されていました。

できれば足首も隠れていた方がいいということですが、そこまで厳格でなくてもいいようです。
- 上半身はTシャツ、ブラウス、ポロシャツなど。キャミソールはNGですがストールを羽織るのはOK。Tシャツは派手すぎたりふざけたりした柄のものは避ける。
- 下半身は7~8分丈パンツまたは長めのスカート。ジーンズは問題ありませんが暑いので、お土産やさんで見かけるタイの象柄のパンツがおススメ。200バーツ前後で記念にも夏の部屋着にもなります。
サンダルはどうなんでしょうか?
アメリカ人の同僚が、大学でのカンファレンス期間中にゲストたちを率いて王宮に行き、なかにはかなりラフな格好の人もいましたが、このときはビーチサンダルを履いていった人も特に問題はなかったそうです。
ですが、このワットアルンでの写真(小さくてわかりにくいかも知れません)には、服装に関する注意として、はっきりとビーチサンダルのイラストに×印がついています。

紐靴だと寺院の参拝に出入りするたびに紐を結んだりほどいたりと面倒なので、クロックスのような足を滑り込ませて簡単に履けるスリップオンタイプが楽ではないでしょうか?
タイの寺院でのマナー
あまりあれもこれもダメと制約が多すぎると楽しくなくなってしまいますが、
- 大声を出したり、騒いだりしない
- 飲酒してから寺院に入場しない
- たばこを吸わない
- 携帯での通話をしない
- 参拝エリアでは飲食を慎む(基本的に僧侶は午後に食事をしません)
- 写真撮影は禁止かどうか確認してからにし、仏像の前でふざけた格好をして撮影しない<
- タイのお坊さんはとても絵になりますが、写真を撮るときは一言断ってから
- 指で仏像や僧侶を指差したり、仏像に触れたりしない(必要な場合は、手指をそろえて手のひらを上にして「あちら」という風に丁寧に指し示す)
以上については注意して下さい。
その上で、
- 本堂に入るときには敷居を踏まない
- 仏塔や仏像など神聖なものの周囲を歩くときは時計回り(ほとんどの寺院で順路が定められているのであまり心配する必要はありません)
- お坊さんと話す機会がある場合は、会話中ずっと手を胸の前で合わせる
といったことにまで注意を向けれるといいかと思います。
タイの寺院での寄付について
タイのほぼすべての寺院には、寄付金を入れる木製または金属製の箱が設置してあります。
寄付はしなければならないものでもなく、寺院側も期待しているわけでもありませんので、寄付をしないという理由で後ろ指を差されることはありません。

寺院巡りを楽しくするコツ
短い時間でなるべく多くの寺院を見ようと欲張っても、疲労が蓄積されるだけです!
ひとつの寺院を見終わった後、矢継ぎ早に次の寺院を訪問するよりは、エアコンの効いたカフェやホテルでのんびりしながら、あなたが見たものを吸収するための時間をとってみてはいかがでしょう?
可能であれば、寺院を訪れる前にその歴史や建立の目的、重要性などを簡単にチェックしておきましょう。

それぞれの寺院にはユニークな何かがあります。
例えば、涅槃仏は釈迦が怠けているところを描写しているわけではありませんよね。
彼の肉体が病気(食中毒だったということです)にむしばまれ、すべての説法を終えて、まさに入滅せんとしている姿です。
アユタヤのワット・ナープラメーンには、釈迦が悟りを開く前、王子だった頃の世俗的な装いの姿の石仏が祀られていますが、これはとても稀なものです。
【タイの寺院巡りをする前に】服装と最低限のマナーのまとめ
まとめになりますが、タイで寺院を訪れるときは袖があるものを着て、長いスカートやパンツであればより礼儀正しいということを理解しておきましょう。
神社仏閣にあまり興味がないという人もいるかもしれませんが、個人的には、王宮やワット・ポーなど代表的な寺院を見学することなくしてタイでの観光を終えることはできないんじゃないかと思っています。
タイの人口の90%以上が上座部(テーラワーダ)仏教徒で、古くて神秘的なお寺、壁にバットマンやドラえもんなどのイラストが描かれている寺院、地獄を再現したコンクリートのオブジェのあるところまでさまざま。
ほとんどの寺院は美しく、歴史的、文化的に非常に重要な場所ですので、失礼のないようにしながら、タイの仏教文化を楽しみましょう。