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タイの自動車保険~その種類と補償内容について解説します

タイに長年住んでいて車が必要になる方、または来タイ後に購入をお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

以前書いたとおり、タイの運転マナーは日本と比較するのが馬鹿らしいほど酷い。

 

タイ人の仕事仲間も「アホなドライバーが増えた」と嘆いている通り、ほとんど毎日あちこちで事故ってる車両を見かけますし、危ない目に遭ったことも数えきれないほどあります。

 

ウィンカーを出さない車線変更、モーターサイ(バイク)の予測できないような角度からの割り込み、満員の乗客を乗せても考えられないスピードを出すバス...

 

それもそのはず、毎年6万件を超える事故が報告されて、運転するのに最も危険な国トップ10にランクインされているため、どんなに慎重に安全運転しても事故に遭うリスクは高いです。

 

そこで必要なのは保険ですが、この記事ではタイの自動車保険の基本について説明したいと思いますので、不幸にして事故に巻き込まれて怪我をしたり車が損傷を受けてしまった場合に、より深刻な事態に直面しないよう、保険を選ぶ時の参考にしていただければと思います。 

 

タイの自動車保険の種類

タイの自動車保険には強制保険(自賠責:自動車損害賠償責任保険)と任意保険の2種類があり、タイに登録されているすべての自動車およびバイクを運転するには「ポーローボー(タイ語:พ.ร.บ. 英語:CTPL」と呼ばれる強制保険への加入と毎年の更新が必要です。

 

この強制保険は、交通事故の被害者に対する最低限の救済をおもな目的としているので、物損事故には適用されないなど補償される範囲は限定的。

 

保険金を請求するプロセスも複雑なので、多くの人は任意保険にも加入してポーローボーでカバーできない分を補っています。

 

任意保険では、自分と相手方の身体への損害や車の修理費用の補償を受けられ、事故が起きたときに専門的な助けを得ることもできます。

 

事故が発生した場合は保険代理店に連絡すると、スタッフが現場に来て相手方と話をつけ、レッカー移動が必要ならその手配をし、保険金請求書類を発行してくれます。

 

強制保険

日本でいうところの自賠責保険である強制保険ポーローボーは、タイの法律(1992年の自動車事故救済法)ですべての運転手が加入することが義務付けられています

最低限の補償内容であるため、事故が起きた場合は限られた範囲で医療費のみがカバーされます。

 

保険料

保険料は車種と乗員数で決まります(印紙代とVAT付加価値税7%込)。

  • 普通乗用車(定員7名まで)...645.21バーツ
  • ピックアップトラック(3トン以下)...967.28バーツ
  • ロットゥー(ミニバス、定員7名以上15名未満)...1,182.35バーツ

 

補償内容

強制保険は保険金額が低いため、保証の内容も最低限となっています...

 

  • 運転者に非がない場合
  1. 負傷者=一人あたり8万バーツまで、
  2. 死亡または一生残る後遺障害=一人あたり30万バーツ
  3. 身体の一部(腕、足など)や臓器の一部を失うような重篤な症状=一人あたり20~30万バーツ
  4. 通院治療が必要な場合=1日200Bの補償金を最大で20日間まで

*(1)~(4)の合計が一人あたり30万4千バーツまで

*データは、現在私の手元にある保険証書によるものです。

なお、運転者に過失がある場合、保険金はけがで3万バーツまで、死亡で3万5千バーツまでに減少します。

 

保険加入手続き

タイの運輸省陸運局、保険会社、または車の販売店(新車購入の場合、サービスで1年目の保険料をタダにしてくれたり割引してくれるところがあります)でも契約でき、年間保険料と補償内容は決まっているのでどこで購入しても同じです

 

あとで述べる任意保険とセットで購入するのが一般的です。

 

保険金の請求

事故でけがをした場合、病院での会計時に伝えることでキャッシュレスでOKな場合と、いったん医療費を自己負担し、領収書、パスポートのコピー、保険証書のコピーを添えて保険会社に請求し、後で治療費の払い戻しを受けることができます。

 

保険金を上限いっぱいまできちんと受け取るためには、こちらに事故の非がなかったことを証明するため、警察官からのレポートが必要です。

 

これは、強制保険にしか加入していないときの話で、これから説明する任意保険にも加入しておけばすべて保険会社で手続きをしてくれます。

 

任意保険

数多くの保険会社が販売している任意保険は、強制保険よりも充実した補償内容となっていて、最も安いプランさえも対物賠償が含まれています

 

任意保険のオプション

任意加入保険の補償オプションは以下の通りです。

 

1.自損事故

タイプ1の保険は、電柱、塀、木、ガードレールなどに衝突したり擦ってしまったりといった、相手がいない場合の事故をカバーします。

保険プランによって異なりますが、1,000バーツ以上の自己負担金を支払う必要があるかもしれません。

 

2.衝突損害

他の車との衝突により保険契約者の自動車が被った損害をカバーするもの。

 

ディーラー(トヨタならトヨタの販売店にあるサービスセンター)で修理させてもらえるものと、保険会社指定の民間整備工場でしか修理できないものがありますので、契約する場合には詳細を確認してください。

 

運転者の過失による事故の場合は、事故負担金がかかる契約もあります。

 

車が修理不可能な場合、契約内容により補償金額の70%~100%が支払われます。

 

3.対人補償

交通事故による人身傷害のためのもので、強制保険と任意保険両方ともカバーしています。

 

もしあなたがタイの道路を歩いていて車にはねられた場合、最低でも強制保険で補償される金額を受け取ることができます(もちろん運転手にも損害賠償請求をしますが)。

 

4.対物補償

このオプションは衝突損害オプションと似ていますが、他の車とぶつかったり接触したりしたときに相手方の車の修理費用を補償するものです。

 

5.治療費

すべての保険には、交通事故による治療費が含まれています。

 

補償金額はどのタイプの保険でもだいたい同額ですが、運転者の過失の場合は支払われる保険金も低くなります

 

6.盗難

文字通り盗難リスクに備えるものです。

 

車の使用年数により補償金額の70%~80%が支払われますが、鍵をかけ忘れたり安全でない場所に駐車したり、自分の不注意で車が盗まれた場合はこの対象とならないことがあります。

 

7.火災・自然災害(洪水を含む)

盗難と同様、自分の過失でない場合のみ保険金が支払われます。

 

洪水はタイでたびたび起こりますが、ゲリラ豪雨などのような特に激しい集中豪雨で駐車した車が浸水した場合には補償の対象になります。

 

一方で、わざと水位の高い場所を走ったりした場合には保険金の支払いを拒否される可能性もあります。

 

この補償は、タイプ1、2+、2の保険にのみついてきます。

 

任意保険の種類、平均的な保険料と組み合わせ

すべての運転者に加入が義務付けられている強制保険をベースに、以上に述べた7つの任意保険のオプションを組み合わせて、運転者一人ひとりのニーズにあった自動車保険を組み立てることになります。

 

ただし、自分で自由に選べるのではなく、任意保険のタイプによってどれとどれがカバーされるというのが決まっていますので、私たちはその中からもっとも自分にふさわしいタイプの保険を選ぶことになります。

 

タイの自動車任意保険は、1、2+、2、3+、3の5タイプがあり、タイプ1は保険料がいちばん高い分、補償内容ももっとも充実していて、タイプ3の保険は最も安く適用範囲も狭まります。

それぞれのタイプの概要は以下の通りです。

 

タイプ1(約12,000~15,000バーツ)

タイの自動車保険でいちばん保険金が高く、すべての事故や問題をカバーする包括的な補償内容のタイプで、5つあるタイプのうち唯一自損事故補償が付帯されています

 

契約内容によっては、自損事故の場合1,000~5,000バーツの自己負担額があります。

 

タイプ1の保険は原則として使用年数が7年以下の車両にしか契約できませんが、過去に運転者に重大な過失がないなど、優良なドライバーであれば契約できることもあります。

 

タイプ2+(約6,500バーツ)

タイプ1に次いで保険金が高く、補償内容はタイプ1と同じですが、自損事故補償が付帯していません

 

また、タイプ1ではディーラーで修理させてもらえるのに対し、2+では保険会社が指定する民間整備工場での修理になります。

 

タイプ2

タイプ2+と同じですが、対物補償がついていません。このためこのタイプを選ぶ人はあまり多くなく、保険会社でもほとんど扱っていないようです。

 

タイプ3+(約5,000バーツ)

このタイプの保険には、衝突補償、医療費、対人対物補償が含まれています。

 

2+と3+の主な違いは、タイプ3+には盗難、火災、洪水、戦争・騒乱時の補償がないことです。

 

タイプ3(約2,700バーツ)

いちばん基本的な任意保険で、医療費と対人・対物のみをカバーしています。

 

古い車や安い車を運転している多くのタイ人が利用しています。

(2ページ目に続きます)

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プロフィール

バンコク郊外の大学講師

念願だった東南アジアでの教職を得て、なんとなくタイに移住した形となり15年。

このおおらかな国で、人を育てるというやりがいと責任ある仕事、そしてとても貴重な経験をさせてもらっています。

タイにお住まいの方やこれから来られる方に、楽しくお役立ち情報を提供できればと考えています。

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