
タイで就職して企業で働いていらっしゃる方は、初年度の給料はあまり高くなくても昇給のチャンスが年に2回ほどあり、2年目以降、特に営業職の方は成績がいいとドカッと昇給することもあるという話をききました。
しかし、タイも累進課税方式採用しているので、所得が上がるとそこにかかる税金が増えるのは日本と同じ。
将来を考えると、いかに節税するかということがいくら稼ぐかと同じくらい大切になってきます。
そこでお勧めしたいのが、積立型の生命保険に加入することです。
タイは税率が高く控除額も少ない
個人の所得税について調べてみると、タイは日本と同じ累進課税制を採用していますが、税率が高いです。
課税所得(年/単位バーツ) | 税率 |
0~150,000 | 0% |
150,001~300,000 | 5% |
300,001~500,000 | 10% |
500,001~750,000 | 15% |
750,001~1,000,000 | 20% |
1,000,001~2,000,000 | 25% |
2,000,001~5,000,000 | 30% |
5,000,001~ | 35% |
プロビデントファンドの積み立て、LTF(長期投資信託)やRTF(Retirement Mutual Fundの略で、各金融機関が提供する個人年金)の購入、そして今回ご紹介する生命保険など、個人でできる控除項目のすべてを実践しようと思います。
タイの生命保険へ加入するメリット
生命保険というのは、自分に万が一のことが起こった時に、残された家族が少しでも生活に困らないように加入するものですが、タイではその本来の目的に加えて節税と将来のための積み立てにもなるところが優れているところです。
加入することで、年間10万バーツまで所得税の控除対象になり、なおかつ保険金、配当金、満期に達したときの受取金に税金は一切かかりません。
また、私はタイにどのくらい住むのかはっきりしていなかったので保険の契約をためらっていたのですが、タイに滞在中に加入すれば、日本に帰国しようが他の国に引っ越そうが、契約はそのまま継続することができます。

私の加入しているタイの生命保険について
私が数年前に契約したのが、年間10万バーツを10年積み立て、15年満期のプランです。
- 1~14年目:配当金1万バーツ(計14万バーツ)
- 15年目:支払い保証額954,998バーツ、満期配当315,659バーツ
保険金総額1,410,657バーツで、保険料の支払いが1,000,000バーツなので、利益は410,657バーツになります。
このほかにも年間25,000バーツの税金の還付があり、そちらは保険料控除証明書が郵送されてきますので、それを確定申告の際に提出します。
タイの生命保険に加入するときの注意点
- 労働許可証を所持するタイ在住者であること
- 税の控除には10年以上の契約年数が必要で、保険料を支払う年の分だけ控除が可能。
- 保険金の受取人をちゃんと考慮すること(私の場合は家族がいるので妻と息子に50%)。
- 内容をしっかり確認すること
私がこの記事を書こうと思ったのは、何を隠そう契約内容をすっかり忘れていたからです(汗)。
契約をしてこれから少し納める税金が控除されると思ってホッとしてそのままでした...
契約書はタイ語ですが、大手の保険会社は英語の抄訳もつけてくれますので、それをしっかり読んで大事なところは日本語で訳を付けておくとかしておきます。
尚、この英文の冊子はあくまでも被保険者の便宜をはかるためのもので、タイ語の正式な契約書との相違があればタイ語の方が優先されます。
まとめ
社会保障や年金制度がお世辞にも整っているとは言い難いタイにおいて(だからこそ税制上の優遇があるのでしょうが)、生命保険は税金が控除になるきわめてスタンダードな節税対策で、なおかつ高利回りな超安定型定期預金です。
控除限度額の10万バーツの生命保険に加入する場合、月々の負担額は8,333バーツとなります。
私もタイに来たばかりの頃は環境に慣れるだけで精いっぱいでしたが、ある程度収入が安定してきたら将来を考え、自分にあったものを見つけて加入するべきだと思います。
以上参考になれば幸いです。