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クイッティアウルア~豚の血入りスープのボート式麺料理

クイッティアウ(米粉で作った麺)+ルア(小舟、ボート)。本当に小舟が置いてある麺料理のお店で食事をするのは、僕にとってタイでの尽きない愉しみの一つです。クイッティアウルアは、遺跡巡りで有名なタイの古都アユタヤのものが有名ですが、バンコクにもお店はそこら中にあり、新しいお店を発見したり食べ比べをするのは楽しいものです。

ユニークな麺料理の歴史

ก๋วยเตี๋ยวเรือ(クイッティアウ・ルア)の歴史は長く、ラタナコーシン王朝(現王朝)が誕生した18世紀の終わり頃まで遡ります。華僑がアユタヤとバンコクの運河沿いにコミュニティを形成し、中国の具材とタイの具材が混ざり合いました。そしてタイ人と華僑たちが現在のランシット運河やバンコクノーイ運河でボートを使って麺料理を販売していました。

現在では運河ではなく陸上で売られています(現在でも水上マーケットにはあります)が、その当時の名残でクイッティアウルアという料理名が残り、また店にボートが置いてあったり、お店自体が小舟の形をしていたりします。

どんぶりが小さい理由

店によってまちまちですが、僕が最初に食べたお店では日本のわんこそばのように小さいどんぶりに入って出てきて、値段も1杯15~20バーツ程度、3~4口で食べれてしまうものでした。これはどうしてかというと、麺料理をボート上で売っていた時代、狭くて身動きがほとんどできない中、一人で調理したり、清算したり、食べ終わった食器を受け取ったり洗ったりしないといけなかったからです。

麺料理ボートが運河を伝って近くに来ると、地上で食事をしたい人がそのボートを呼び止めます。店主はボートを近づけ、片方の足を桟橋や運河沿いの高床式の家の柱に引っ掛けて、ボートが流れないようにしながら調理していました。想像するにかなりアクロバティックな姿勢ですね。Σ(゚д゚ )

こうして作ったクイッティアウを客に渡すのですが、その無理な姿勢で大きいどんぶりを渡すと重たいし、船がちょっと揺れただけでスープがこぼれてしまいます。それでお客さんに渡しやすいように小さいどんぶりにして、スープを濃いめの味付けにしたということです。

ちなみに、当時は運河の水質はとてもきれいで、お客さんが食べ終わった後のどんぶりの洗い方は、軽く運河の水でゆすいでおしまい、だったとか。(´∀`*)

クイッティアウルアの特徴

前述のように小さいどんぶりに入っていて、最低2杯は食べないとお腹が膨れないこと、栄養バランスのために麺と野菜だけでなく肉類(主に牛肉と豚肉をやわらかく煮たもの、レバーなどの内臓、ルークチンというすり身など)と、スープに豚の血(鉄分補給のため?)が入っていることです。豚の血が入ることで茶色のスープがよりダークな色になり、全然生臭くなく独特のコクと風味がでます。それから、具に牛肉を選んだ場合でもスープの出汁は豚です。

調味料と具

店に入って何を注文しようかと思案しながら、従業員にきびきびと指示を出していた店主さんらしき男性に断って写真をとらせてもらっていると、ていねいに一つずつ解説してくれました。

左からน้ำส้ม(ナムソム:お酢。これだけだとオレンジジュースという意味にもなるので、正確にはน้ำส้มสายชูナムソム・サーイチュー)、น้ำปลา(ナムプラー:魚醤。言わずと知れたタイの代表的調味料で、タイの醤油ですね。)、砂糖、唐辛子。そしてその赤い袋は...味の素。MSGか...これを摂りすぎると塩分過多になってしまいます。ファーストフードはMSGの塊みたいなもので避けては通れないかもしれませんが、化学調味料とはうまく付き合っていきたいものです。

調味料各種をあらかじめ少量配合しておいてあります。店主さんは忙しいのにも関わらずわざわざ僕らのテーブルまで来てくれて、「子供は辛くても大丈夫か?」と聞いてくれました。そこで、唐辛子を抜いてもらいました。こんな気遣いは滅多にありません。感謝です。

น้ำตก(ナムトック)、豚の血です。

豚の血を混ぜているところです。

具材です。ルークチン(つみれボール)、豚、牛肉。หมูสด(ムーソット:豚肉)またはเนื้อสด(ヌアソット:牛肉)という細切れ肉を茹でたものと、หมูตุ๋น(ムートゥン:豚肉)またはเนื้อตุ๋น(ヌアトゥン:牛肉)といって柔らかくスープで煮込んだものの2種類があり、個人的には後者をおススメします。

今日のメニュー

เส้นใหญ่เนื้อสด センヤイ・ヌア・ソット

一杯目に頼んだのは、センヤイ・ヌア・ソット。幅の広い麺と牛肉。うーん、残念ながら牛肉はあまりおいしくないです…

มาม่าหมูตุ๋น(マーマー・ムートゥン)

มาม่าหมูตุ๋น(マーマー・ムートゥン)豚の血を混ぜているところです。

息子が一杯目に頼んだのは、มาม่าหมูตุ๋น(マーマー・ムートゥン)。マーマーというのはタイの代表的なインスタント麺のブランドですが、タイにおけるカップ麺の総称のようになっていて、マーマーというメーカーのではなくてもそう呼びます。具はムートゥンという柔らかく煮込んだ豚肉とパックブン(空心菜)。

บะหมี่หมูตุ๋น(バミー・ムートゥン)

บะหมี่หมูตุ๋น(バミー・ムートゥン)

息子がもうちょっと食べたいけどもう一杯は食べきれないというので、บะหมี่หมูตุ๋น(バミー・ムートゥン)を頼んで半分こ。こちらは日本のラーメンに近いバミーという麺と、先ほどの柔らかい豚肉の組み合わせ。

前述のように、クイッティアウルアは通常わんこそばのように小さい器で提供されて値段も1杯10~20バーツなのですが、ここのお店のはどんぶりが結構大きく、値段も一杯60~70バーツです。

まとめ

豚の血入りスープというのがこの料理の最大の特徴であり、食べてみるべき理由だと個人的には思いますが、それはちょっと…という人は「マイサイ・ナムトック」と入れないよう頼むこともできます。

なかなかユニークなボート式麺料理、タイでぜひ食べてみてくださいね!

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プロフィール

バンコク郊外の大学講師

念願だった東南アジアでの教職を得て、なんとなくタイに移住した形となり15年。

このおおらかな国で、人を育てるというやりがいと責任ある仕事、そしてとても貴重な経験をさせてもらっています。

タイにお住まいの方やこれから来られる方に、楽しくお役立ち情報を提供できればと考えています。

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