
多くの方がすでにこの有名なベジタリアン・フェスティバルについてご存知かも知れませんが、กินเจ(キンジェー)というのは多くのタイ人が敬意を払って参加するフェスティバルです。
参加する、というより実践すると言った方がいいでしょうか。
実は、私はタイに来てから5年ほどは自分にはあまり関係がないと思い、この行事は適当にやり過ごしてきて、気分で期間中に一日だけ肉類を口にするのをやめて

とか言ってるレベルでした(ゴメンナサイ)。
タイ滞在が長くなるにつれて、この有名な催しについてよく知らなくてはと思い、それからできる範囲で参加してみようと考えたんです。
そこで、この記事ではタイにおける菜食週間について簡単に説明することにしました。
เจ(ジェー)とは?
期間中よく「齋」という文字を見かけますが、中国語でジェーとは大乗仏教の八斎戒(はっさいかい)のことで、動物の殺生を避ける→肉を食べない、という大切な戒律が含まれています。
在家信者のために、寺院に詣でて仏教の教義を聞いたりお布施を行ったりする、月に6日ないし10日間の斎日はこの戒めを守る日が決められていました。
それがタイに渡ってタイ国籍を取得した、いわゆる華人によってタイ全土に広まったとされています。
菜食週間の時期と9つの約束事
キンジェーは、毎年陰暦の9月の最初の日に始まります。
2017年 | 10月20日~28日 |
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2018年 | 10月8日~17日 |
2019年 | 9月28日~10月7日 |
2020年 | 10月16日~10月25日 |
2021年 | 10月4日~13日 |

実践する人は以下のことに注意します。
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菜食週間の決まりごと
- 期間中、身体を清潔に保つ
- 台所用品をきれいにし、キンジェーを実践しない人には使わせない
- 白い色の服装を身に着ける
- 礼儀作法を重んじ、正しい行動をする
- 肉を食べないようにする
- 性行為を避ける
- アルコール類を避ける
- 喪に服している人は実践しない
- 妊娠中または月経中の人は実践しない
プーケットのベジタリアンフェスティバル
菜食祭りといえばプーケットが有名。
前述の注意事項に肉を食べないとありましたが、肉以外にもパクチーやニンニクのように香りが強いもの、またスパイシーな刺激物や味が濃すぎる料理を禁じることで、健康と安心を得ることができるという中国社会の信念を讃えて行われるのですが、派手というだけでなくかなり極端なお祭りです。
祭りの起源はよくわかっていませんが、一説によると、
- とある中国の劇団がプーケット島で興行中にマラリアにかかりかなりヤバい状態になってしまい、
- 困った彼らは厳しい菜食主義の食事を守り、心と体の浄化を確かなものにするために彼らが信じていた9大天皇に祈ったところ
- 驚くことに、彼らは完治してしまった。
このことがきっかけで、この時期に菜食を貫き神を敬う祭りが始まり、いまでは中華系タイ人にとって旧正月に次いで大きなイベントとなり、中国やアジア各地から数千人が参加する壮大なイベントに発展しました。
極端な祭り、と書きましたが、このイベントの最大の特徴は、串や刃物を自分の身体に刺し、トランス状態になった人々が練り歩く行進です。
また、これ以外にも、地元住民が燃えている石炭の上を歩いたり、鋭い刃が突き出た8mのはしごを上るといった奇抜な催しがあります。
プーケット在住の友人が見せてくれた動画もありますが、かなりショッキングでここに掲載するのはためらわれますので、興味のある方はYoutubeなどで検索してみてください。
期間中キンジェー料理を食べてみましょう!
プーケットの怪奇菜食フェスティバルは別として、この期間には街頭や市場で特別に準備されたベジタリアン料理を楽しむことができます。
ベジタリアン料理は通常の料理とあまり区別がつきません。
タイの定番料理に入っている肉を大豆やタンパク質でできた代用品に置き換えただけで、普通に肉が入っているようにも見えます。
町中に黄色い旗がはためいているので、キンジェーの屋台を見つけるのは難しくありません。
これはウンセン(春雨)の炒め物。肉の代わりに豆腐が入っていました。
いつもは豚挽肉の炒め物ですが、これは大豆ミートでしょうか。
そういえば、以前ドイツでベジタリアンの友人宅にお邪魔したときに、大豆でできたソーセージを頂いたことを思い出しました。
このときは見かけも味もほとんど変わらずびっくりしたものです。
赤と緑の2種類のカレーをご飯にかけてもらいました。
大根とタケノコがいつもよりたっぷりで、肉類はお麩と蒟蒻で代用してありました。
この期間にタイを訪れる方でベジタリアン食しかないのかと心配されている方がいましたが、そんなことはなく普通に食事や飲酒ができますが、健康志向で信心深いタイ人も多いので、そういった人たちに一定の配慮はお願いしたいと思います。
【タイの有名な菜食週間】まとめ
いかがでしたでしょうか?
昔の中国の風習がタイにも脈々と受け継がれていています。
私の友人には、まだこのフェスティバルが始まる前にもかかわらずキンジェー仕様のカップラーメンを食べて菜食週間をスタートさせた人もいますが、キンジェーを数日、もしくは1日だけでも実践してみてはいかがでしょうか。