
とある大学で午前中の講義を終えると、僕はすぐに2時間前に通り過ぎたキャンティーン(食堂)に急ぎました。そして数分後、僕は空いていた長テーブルに着席していて、ジャスミンライスと煮込んだ豚の脚の部分をスプーンに乗せて満面の笑みを浮かべていました。
どんな料理?
ข้าวขาหมู(カーオカームー)(カーオ=ごはん、カー=脚、ムー=豚)は中国発祥のタイ料理の一つ。豚足をพะโล้(パロ)と呼ばれる、牛、豚、鶏またはアヒルの臓物を、中国の代表的な混合香辛料である五香粉を中心に様々な香辛料と一緒に煮込み、黒砂糖や醤油で味付けしたスープで煮込んだものです。
絶妙に煮込み時間を調整してあり、肉の部分にまでしっかりスープが染み渡っていますが、見た目ほど味が濃いわけではありません。皮の部分はにゅるにゅるとして口の中で溶けていくよう、肉の部分は歯ごたえがあり、噛むと汁が染み出ていい感じです。個人的には皮と肉とご飯と付け合わせ野菜を一緒に口の中に入れて食べるのが好きです。
付け合わせ
だいたいผักคะน้า(パッカナー:カイラン菜)とผักกาดดอง(パッカー・ドーン:パッカー=白菜やレタスなどの総称、ドーン=酢漬けで、いまいちどの野菜か特定できないのですが、「タイ風高菜」と訳されている方が多いです)が付け合わせになっています。
卵も豚足一緒に煮込んであるんですが、これはおでんに入っている色のついた卵を想像していただければと思います。僕はタイにいておでんを食べる機会は皆無なので、この卵をおでんの卵に重ね合わせているのかも(笑)。
注文オプション
よく観察していると、タイ人は「เอาหนังด้วย(アオ・ナン・ドゥワイ=皮付きで)」、逆に嫌なら「ไม่เอาหนัง(マイ・アオ・ナン=皮なしで)」、または「ใส่ไข่(サイ・カイ=卵付きで)」などと細かく注文しています。また、吉牛のように「つゆだく」にしたい場合は「น้ำราดเยอะๆ(ナム・ラート・ユッユッ)」とお願いします。いずれも最後に男性ならครับ(クラップ)、女性ならค่ะ(カー)をつけ、丁寧な言い回しにしましょう。
豚足は美容にいい?
沖縄に「足ティビチ」という料理があって、沖縄の女性に美人が多いのは豚足をよく食べるからじゃないか、なんてテレビ番組で見たんですが、豚足には良質なたんぱく質がたっぷり含まれていて美容にいいと言われています。豚足に脂身のような、とろとろした柔らかいゼリー状のものが付いていますが、あれはよく骨の周りについているコラーゲンですのでご安心を。豚足は肥満の原因になるような脂身はないそうです。
フィリピンにも似たような料理が
フィリピンにもPatatim(パタティム)という、やはりほとんど同じ料理があり、独特の味と風味を醸し出すトウシキミという五香粉に含まれるスパイスが特徴なのですが、フィリピンのは値段が高く中華料理店でしか提供されないようです。タイでは一皿30バーツほどで、茹で卵は追加で10バーツです。
カーオマンガイよりカロリーは低め
意外に思われるかもしれませんが、カーオカームーは一皿約456kcalでカオマンガイ(タイのチキンライス)よりは低め。脂肪は16.4g、炭水化物55.5g。スープをかけすぎなければそこまで気を付けなくても大丈夫そうです。それでも、あまりพิเศษ(ピセーッ=大盛り)を乱発しない方がいいかも。
まとめ
柔らかく少し少し塩辛味の豚の脚、豚を煮込んだのと同じスープで煮たカイラン菜と高菜の酸味と苦み、そしてそれらを中和するふわっと炊かれた香ばしいジャスミン米と卵。