
バンコク・アソークにある高級日本料理店【刀】。
シンプルかつインパクトがあり、いかにも高級料亭な響きのお店ですが、とてもお得なミニ懐石ランチを提供してくれているんです。
内装も趣向を凝らしてあり、完全個室なので、私たちのように普段はタイ&家庭料理が主な家族でも、特別な日をおいしい和食でお祝いするのに最適です。
この記事はそのミニ懐石ランチの食レポになります。
アソークの高級料理店【刀】の外観・たたずまい

アソークの高級日本料理店【刀】の外観
【刀】の外観は、高層コンドミニアムに囲まれた武家屋敷といった感じで、外観ですでに雰囲気満点。
私が初めてバンコクのドンムアン空港に降り立った時、寺院と高層ビルが入り乱れて建っているのにカルチャーショックを受けたのを思い出しました。
スクンビット・ソイ23にあり、お店は(他店のも兼ねた?)広い駐車場の奥で、通りに大きな看板はなく、車で行ったのですが一度通り過ぎてしまいました。
アソークの高級料理店【刀】の店内
暖簾をくぐり、数名のスタッフが暖かく出迎えてくれるのは、非日常を感じさせる老舗旅館のようなエントランス。
はやる心をおさえて案内されるまま店内を進むと、オープンキッチンを構えるカウンター席が現れます。

そして、カウンターの向かい、お店の中央にはヒノキ造りの舞台があり、そこには2着の甲冑が!


この舞台には靴を脱いで上がることができ、写真撮影もさせてもらえるので、お子さんを連れていくとテンション爆あがりですよ。
店内にはまだまだユニークな「仕掛け」が。
お手洗いに行くと、ドアが隠し扉のごとくスッとスライドし、中は...
なんと、す、水族館!?

エンターテイメントが凄すぎです...
さて、お食事をいただく個室も、それぞれが異なるテーマで、雰囲気がまったく違うんです。
私たちが案内されたのは、城壁に囲まれた隠し部屋的な「風林火山の間」。
家族水入らずの団らんには最高です。
こちらは別のお部屋ですが、まばゆい金の屏風と、黒いドアは漆塗りでしょうか?とても格式高いです。
というわけで、お食事をいただく前からもう大興奮です。
2階は焼肉専用のフロアとなっているようです。
アソークの高級料理店【刀】のミニ懐石ランチ
5月中旬から提供を始められたというミニ懐石ランチ。
SNSでもちらほらと見かけ、すぐにでも食べに行きたかったのですが、1ヶ月も待ったのは私たちの特別な日まで取っておきたかったからです。
全部で6コースあり、内容は
- 昼しゃぶ小懐石 850B
- 焼肉重小懐石 690B
- ばらちらし小懐石 590B
- うな重小懐石 590B
- 日替わりランチA 490B
- 日替わりランチB 590B
となっています(これに税とサービス料がかかります)。
私たち家族が行った日は、日替わりランチAが白身魚のフライ、Bが天丼ということでした。
メニューを眺めること5分、結局お店のブログにあった人気メニュー・トップ3を選択。

室内の撮影大会を終えた後(笑)、まずはしっかりとした味の緑茶(冷/温)をいただけるので、軽くのどを潤します。
最初に運ばれてきたのは、お造りとサラダ。
はまち、マグロ、サーモン、ホタルイカの4種。
盛り付けも美しく、どれも身がプリプリで、和食の醍醐味ですね。

刺身の舌触りやうまみを生かすも殺すも包丁の引き具合だそうですね。

食べない人もいるけど、一緒に添えられている菊の花と一緒で、殺菌・抗菌作用もあるのよ。
シンプルなサラダですが、メイン料理の前に小腹を満たすのにちょうどよい味と量。

おしゃれな器に入っていますね。
ばらちらし小懐石には、お造りはありませんが、こちらモロヘイヤの小鉢が付いてきます。
納豆やオクラのように粘り気があって食べやすく、息子が大変気に入っていました。
さて、ここでメインをも凌駕しそうになる、すごいものが登場します。
それが、「当店名物」と言って出してくださった、黄金の茶碗蒸し。
コントラストが美しい中央の黒いものは、トリュフとフォアグラのペースト。



ポルチーニ茸の香りと深みのあるチーズ。
料理漫画ではありませんが、究極の茶碗蒸しですね...こんなに独創的かつおいしい茶碗蒸しは、40年以上の人生で一度も食べたことがありません。
では、いよいよメインです。
柔らかく、赤身と脂身のバランスがちょうどいいお肉がびっしり敷き詰められた焼肉重。
料理長さんのYouTube動画によると、ベストなお肉を提供するため、部位は日によって変えているそうです。
ごはんとすこし甘めのたれをかけたお肉と温泉卵を木のスプーンに乗せて口に運ぶと...

うな重です。
いかにも栄養がため込んでありそうな厚くて柔らかい身が、口の中でパラパラのごはんと混ざり合う瞬間ときたら、もう至高のひととき。
山椒も香ばしくて、うなぎがさらに上品な味になります。
色どり豊かなばらちらし。
ごはんがほんのりワインレッドに色づいているのは、赤酢が使われているから。
あおさしょうゆとともに、主役のネタの見た目も味も引き立てています。
タコ、アジ、マグロ、サーモン、イクラ、どびっこ、きゅうりが様々な食感を楽しませてくれ、子供にも人気があるという理由がわかります。
付け合わせは、焼肉重にはもやしとほうれん草のナムルに浅漬けのキムチ(上)、うな重とばらちらしにはきゅうりとセロリの浅漬けとわさび漬け。
そしてなんと、食後の飲み物(コーヒー・紅茶)とデザートまでコースに含まれています。
コーヒーはアメリカーノかラテを選ぶことができます。
クリームプリンにはバニラアイスが乗っており、その上にカラメルソースとバニラビーンズ。

とにかく食材も調理も細部にまでこだわった料理で、目で楽しみ舌でまた楽しむことができ大満足です。
最後に
結婚記念日ランチをこちらのお店でいただくことにしたのは、お得なお値段もそうですが、ウェブサイトにある料理長さんのすごい経歴を拝見して惹かれたからなんです。
若くして数々の修業を積み、様々なレストランを展開しておられ、タイ人の料理人さんに指導をして、その料理人さんが多くの日本人の舌と胃袋と心を満足させている。
私も人を育てるというのが仕事なので、そこにとても感銘を受けました。
お会計は、3人で税サ込み2,200バーツ。
お料理にもお店の雰囲気にもサービスにも、タイで食事に出かけてこんなに感動したのは初めてじゃないかな。
コロナで日本行きはおじゃんになったけど、タイにいるのも悪くないと思わせてくれる個性的なお店で、家族の思い出に残る日となりました。
お祝い事、大切な人との会食、それから自分へのご褒美が控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
住所:21/38 Sukhumvit Soi 23
TEL:02-088-0706
ウェブサイト:http://www.ssjd-katana.com/