
こんにちは。
「え、お子さんが通っているのはタイの現地校ですか?」
とびっくりされ、
「はい!」
と満面の笑みを浮かべて即答するも、内心はちょっと自信がなく、息子の将来を案じている親バカ大学講師です。
海外在住歴が長い方でお子さんがいらっしゃるご家庭では、必ず教育をどうするかということについて悩みますよね?
日本人学校に通っていても、ご家庭で各教科の予習や復習などをしておいて、帰国後スムーズに日本の学校での授業に入りたいでしょうし、インター校や現地校に通っていたらなおさら、日本語で日本の教育を受けさせたいと思うのではないでしょうか。
特に、うちは住んでいる場所がバンコク都心からだいぶ離れているため塾や補習校に通うのは難しく、必然的に通信講座とインターネットを使った自宅学習となりました。
そこで、うちの子どもがいままでやってきた日本の通信講座を受講し始めてから現在までの経過をまとめてみましたので、同じように海外に住んでいらっしゃるの方々の参考になればと思います。
うちの子どもの言語環境
妻も私も日本人で現地採用でタイで働いており、現在小6の息子はバンコクの病院で生まれ、帰国は年1回。
息子の状況を簡単に説明しますと、
- 普段、タイでの生活で日本語を使う機会は私たち両親と話すくらいですが、たまに妻と私の友人・知人に話しかけられてもちゃんと丁寧に受け答えができる
- 漢字ドリルもやっている
- 一時帰国中の日本では(だいたい1ヶ月くらい滞在)タイ語はまったく使わず、タイ語を忘れないようにタイ語の本やマンガを数冊持たせている
- 小学校のタイ語と英語の成績は良い方で、言語に興味を持ち、イサーン(タイ東北地方の方言)と関西弁が好き
- 日本語の本やマンガを読み、ユーチューブを動画を見るのが好き
- ユーチューバーに憧れていて、シャワーを浴びながら一人で日本語でゲームの実況の真似をしている
2才から小6まで後述する教材で学習していて、日本語能力はだいたいこんな感じです。
進研ゼミ・こどもちゃれんじ
ベネッセコーポレーションは、0~6歳児向け幼児教育教材は「こどもちゃれんじ」、小学校からの教材はそれぞれ進研ゼミというブランド名で「小学講座」「中学講座」「高校講座」を提供しています。
こどもちゃんれんじのメリット
一時帰国の際に両親が、外国にいると日本語がおろそかになるし、誰の助けもないところでの育児・しつけは大変だろうから、と資料を取り寄せてくれたのが、息子が2才のときから小学3年生までお世話になった、ベネッセの「こどもちゃれんじ」です。
こどもちゃれんじをとってよかった理由はまず、しつけの面でかなり助けになったことです。
子どもにとっては、かたづけ、着替えやトイレトレーニングなどがDVDの歌に合わせて自然にできるようになりますし、親の方も「○○しなさい」とただ指示するやり方ではなくて、その歌(覚えやすくて結構頭にメロディーと歌詞が残ります)を口ずさみながら自然と子どもの行動を促すことができます。
トドメは「あれ、しまじろうができるんだから〇〇(息子の名前)にもできるはずだよね」という言葉で、負けず嫌いのうちの子どもにはかなり効果がありました。
勉強面では、教材やDVDひらがな、数の数え方、物の並べ方など、考え方のベースとなる事柄を日本語で学んだことで息子の日本語脳ができたのは大きかったと思います。
なにしろ妻が産休を終えてからタイ人のベビーシッターさんを雇っていたんですが、息子とももちろんタイ語会話で、最初にしゃべった言葉も「ナーム(水)」。
ベビーシッターさんに「日本語のDVDがあるから、時々見させてね」と頼んでおいたのですが、これでなんとか息子の脳がタイ語支配から逃れることができたのではないかと思っています。
そのうちに自分でリモコン操作して、DVDを入れて勝手に観てたときは、2才の子どもってこんなことできるのか、と驚きましたが...
あと助かったのは、付録で親のためのアドバイス冊子が成長具合に合わせて届いたことです。
うちのまわりには日本人で家族持ちの人は住んでいないので、いくら自分の子どもは自分のやり方で育てると意気込んでも、やはり気になるんですよね、他のご家庭ではどんなご苦労があってどんな風に対処されているのか。
この冊子は子育てのプロが監修していて、様々な事例がいくつも紹介されていて、懇切丁寧なアドバイスもあり、わざわざしつけ方の本を自分で探す手間と時間を省くことができました。
このこどもちゃれんじのDVDは息子のお気に入りで、今でも捨てられなくて何枚も取ってあります。
海外に住んでいても子どもにしっかり日本語の基礎をつけさせ、親も楽しい気分でノリノリ♪でしつけができます。
進研ゼミ小学講座のメリット
さて、ベネッセは通信教育大手で安心感があり(2014年7月に個人情報流出事件がありましたが)、小学校に入学してからは特に何の考えもなく、そのまま進研ゼミ「小学講座」に移行しました。
毎月、郵送でテストを提出すると、「赤ペン先生」が採点してくれてまた郵送で戻ってくるのですが、テストの設問は多くなく、また息子の学校の宿題もそこまで出されなかったので、毎月期限内に提出してシールをもらって喜んでいました。
この辺は子供の心理をよくわかっていますね。
このテスト提出期限もきっちり月末、というわけではなく、1ヶ月くらい余裕があったので、のんびりさんの息子でも大丈夫でした(残念ながら「○○日までに提出するとおまけがもらえる」というキャンペーンにはいつも間に合いませんでしたが)。
ちなみに、教材は各教科書会社に対応したものを送ってくれますが、海外でもそれを選ぶことができます。
指定しなければ、小学講座の国語は光村図書、算数と社会は東京書籍、理科は大日本図書です。
海外在住者は、各国にある日本大使館・領事館に在留届を提出して申し込めば義務教育期間の日本の教科書の無償配布を受けることができますので、その教科書に合った教材をリクエストすることができます。
こどもちゃれんじ&進研ゼミの海外受講の注意点
このように、教材内容自体は申し分なかったのですが、海外で受講するときの注意点がいくつかあります。
1.無料体験教材と資料は日本の住所にしか送ってもらえない
通信講座はいくつかあり、資料を取り寄せて実際に見てから検討したいという方も多いと思いますが、すでに海外に住まわれている方はそれが難しいです。
調べた限りでは、海外に体験教材を送ってくれる会社はないようなので、日本出発前、または一時帰国中に取り寄せることが望ましいです。
また、現在国内で受講されている方は、いったんキャンセルして新たに海外受講の申し込みをする必要があります。
2.教材によっては検疫の関係で送ってもらえないものがある
植物栽培キットなど、検疫や通関に問題がありそうなものは海外に送ってもらうことができませんが、日本の住所に送ってもらうことはできます。
3.タブレットを使った学習ができない
小学講座からはタブレットを使ったコースもありますが、海外ではテキスト教材での学習のみとなっています。
4.国内受講料よりもかなり割高
海外での受講は、1年間の契約が必須で、国際輸送の専門である販売会社と契約する形になっています。
うちはOCSという会社を通して教材を送ってもらっていましたが、当然ですが国内で受講するより割高になります。
国内とタイでの受講料にはこれくらいの違いがあります。
年 | 国内 | タイ | 違い |
1~2年 | 2,705 | 5,020 | 1.85倍 |
3年生 | 3,425 | 5,660 | 1,65倍 |
4年生 | 4,094 | 6,310 | 1,5倍 |
5年生 | 4,885 | 7,080 | 1,4倍 |
6年生 | 4,984 | 7,155 | 1,4倍 |
*12ヶ月一括払いの場合の毎月の受講料金(単位=円)。
ただし、その分サービスは手厚く、たとえば2011年の大洪水でカンチャナブリ―に避難したときには、ちゃんとそちらに転送してくれました。
また、テストをエアメールで送るのが面倒という方もいらっしゃいますが、うちの息子は手書きの採点とコメントが届くのを心待ちにしていて、このデジタルとネットの時代に人のぬくもりが感じられる講座でした。
タイの学校に通っていても、考え方はれっきとした日本人です。
進研ゼミはとてもいい教材だったのですが、
- 4年生になると息子の学校の勉強がハードになり、宿題も多く出されるようになってきた
- そのことで時間的、精神的に少し余裕がなくなってきた
- 勉強のペースが落ちて期限までにテストが提出できないのであれば、受講料がちょっと高いかなと感じた
という理由で、オンライン学習ができるお手頃価格のものを探したところ、見つけたのがスタディサプリです。
(続く)