
タイではフェースブックやインスタグラムなどのSNSを使った個人売買(雑貨、衣類、化粧品、サプリなど)が盛んで、タイ郵政もそのニーズを汲んでビジネスをサポートし、さらにサービスを充実させるため様々なオプションの統合を進めています。
タイの普通郵便料金は払っても払わなくても同じじゃね?っていうくらい爆安なんですが、対応もそれなりで信頼が置けず、郵便物がたびたび迷子になるのは有名な話。
では果たしてEMSや書留郵便だったら安全なのかって思いますよね?
そんな疑問と合わせて、タイのEMS&書留についてまとめてみましたので、タイで物品を郵便で送ることがある方はぜひご一読ください。
基本的にはタイのEMSも信頼できるが、注意点も
ご存知のとおり、EMSには追跡サービス(トラッキング)がついていまして、荷物が届かなかったり、内容物が壊れていたり、中身が抜き取られていたりといったことは、私はこれまで経験したことはありません。
また、配達に要する日数も、プーケットから発送してバンコクの外れにあるうちに届くまで4日と、まずまずの内容になっています。
ただし、注意しないといけないことがあります。
それは、職場や住まいのコンドミニアムに送ってもらう場合、配達人が職員やスタッフ、管理人といった人に荷物を預けてしまい、当の本人は受け取っていないことが多々あるということです。
実際、郵便物の到着時に端末にする受け取りのサインにも、タイ人のサインがサクッとしてありましたし、「サインなし」なんてこともありました。
ですので、送る側としては控えを忘れずにとっておき、写真を撮って相手に送り、もしEMSの追跡ではすでに配達が完了しているのに先方がまだ荷物を受け取っていない場合には、相手方の職場のスタッフやコンドミニアムの管理人にしっかり確認を取ってもらうように促すことが大切です。
追跡サービス(トラッキング)での確認
郵便局の窓口で料金を払って発送してから集荷、届け先への配送、受け取り日時が確認できるようになっています。
タイ郵政のウェブサイトにアクセスし、アルファベット2文字、数字9桁、アルファベット2文字をスペースなしで入力し、ボタンを右にスライドさせると荷物の配送状況(一部引き受けと受領のみのサービスもあります)がわかります。
EMSだけでなく、以下の追跡サービスがあるすべての郵便物(タイに届くものも含む)の確認ができます。
タイ国内のEMSと書留郵便
タイの郵政はEMSとその他の特別扱いの郵送サービスを提供しており、詳細は以下の通りです。
1.EMS
EC事業が好調なことを受けて、2018年7月よりEMSによる3~20kgの料金が引き下げられました。
- 重量:20kgまで
- 配達日数:バンコクと都市圏内(ノンタブリ、パトゥムタニ、サムットプラカン)=翌日の12時~16時30分までに配達、バンコク⇔他県=翌日16時30分までに配達、同じ県内=遅くとも翌日の16時30分までに配達、その他=2~3日
- 追跡サービス:あり
- 損害賠償額:2千バーツを上限とした実損額
- 追加補償オプション:5万バーツまで
EMSで送る郵便物には、2千バーツを上限としてその物品の価格分の保険が自動的につきますので、とても価値があるというものではないが紛失されては困る、そしてできるだけ早く届けたい、という時に便利です。
また、追加手数料+保険料を支払うことにより、盗難や破損を補償する保険料を5万バーツまで引き上げることができます。
その場合、2万バーツまでは500バーツ毎に5バーツの保険料と15バーツの手数料、2万バーツを超える分については500バーツ毎に10バーツの保険料と15バーツの手数料です。
たとえば、タイ国内で物品をEMSで送るのに3万バーツの補償をつけたい場合、送料のほかに保険料415バーツが必要です(20,000÷500×5+10,000÷500×10+15)。
2.Registered(一般書留)
タイ語でลงทะเบียน(ロンタビヤン)といい、大切な郵便物を送るときに使います。
- 重量制限:2kgまで
- 配達日数:2~4日
- 追跡サービス:あり
- 損害賠償額:300バーツを上限とした実損額
- 追加補償オプション:なし
3.Certified(簡易書留)
タイ語でรับรอง(ラップローン)といい、郵便物の引き受けと配達のみが記録されます。
- 重量制限:2kgまで
- 配達日数:2~4日
- 追跡サービス:なし
- 損害賠償額:150バーツを上限とした実損額
- 追加補償オプション:なし
4.Percel Post(小包)
タイ語でพัสดุ(パッサドゥ)といいます。
- 重量制限:2kgまで
- 配達日数:3~5日
- 追跡サービス:なし
- 損害賠償額:1,000バーツを上限とした実損額
- 追加補償オプション:5,000バーツまで
5.Logispost(大型郵便物)
ロジスポスト、または สิ่งของขนาดใหญ่(スィンコーンカナートヤーイ)と次の Logispost Plus は、主にOTOP(タイの一村一品プロジェクト)の製品や家具などの輸出業者をサポートするために2013年にできたサービスです。
それまでに7ヶ国限定だった輸送先が、この年一気に25ヶ国にまで拡大されました。
ビジネスをするのに便利で費用効果も高くなりました。
- 重量制限:20~200kg
- 配達日数:5~7日
- 追跡サービス:あり
- 損害賠償額:3,000バーツを上限とした実損額
- 追加補償オプション:20万バーツまで
6.Logispost Plus(大型郵便物+)
Logispostの速達版っていう感じです。
- 重量制限:20~200kg
- 配達日数:2~3日
- 追跡サービス:あり
- 損害賠償額:3,000バーツを上限とした実損額
- 追加補償オプション:20万バーツまで
Logispost、Logispost Plusともに3,000バーツ以上の補償をつけたい場合、500バーツ毎に6バーツの保険料と15バーツの手数料で増額することができます。
タイの郵便局から日本に荷物を送る
国際郵便物の追加補償オプションをつけるには、バーツやUSドルではなく、後ほど説明するSDR(特別引出権)という世界共通の単位を使用します。
タイの郵便局から日本を含む海外に郵便物を送るには、以下の5つのオプションがあります。
1.Courier Post(国際速達便)
タイ語でもคูเรียร์โพสต์(クーリエポスト)です。
- 重量制限:30kgまで
- 配達日数:2~3日
- 追跡サービス:あり
- 損害賠償額:書類=5千バーツ、1万バーツを上限とした実損額
- 追加補償オプション:1,000SDRまで
2.EMS World(国際スピード郵便)
正式にはด่วนพิเศษ(ドゥワンピセート)ですが、EMSで通じます。
- 重量制限:30kgまで
- 配達日数:3~5日
- 追跡サービス:あり
- 損害賠償額:書類=3千バーツ、7千バーツを上限とした実損額
- 追加補償オプション:なし
3.Logispost World(国際宅配便)
タイ語でもโลจิสโพสต์(ロジスポスト)です。
- 重量制限:20~200kg
- 配達日数:7~10日
- 追跡サービス:あり
- 損害賠償額:3千バーツを上限とした実損額
- 追加補償オプション:1,000SDRまで
4.Registered(国際書留郵便)
タイ国内と同じลงทะเบียน(ロンタビヤン)といい、航空便、エコノミー(SAL)便と船便があります。
- 重量制限:2kgまで
- 配達日数:航空便=10~14日、エコノミー=1ヶ月、船便=3ヶ月
- 追跡サービス:あり(ただし、引き受け時と配送時のみで途中経過はなし)
- 損害賠償額:30SDRを上限とした実損額
- 追加補償オプション:なし
5.Parcel Post(国際小包)
こちらもタイ国内のものと同じでพัสดุ(パッサドゥ)といいます。
- 重量制限:30kgまで
- 配達日数:航空便=10~14日、エコノミー=1ヶ月、船便=3ヶ月
- 追跡サービス:あり
- 損害賠償額:1kgにつき222バーツ+1,974バーツを上限とした実損額
- 追加補償オプション:1,000SDRまで
SDRは年に一回その額が定められ、2018年は1SDR=47.5729バーツとなっています(毎年変わります)。
また、追加補償をつけるためのサービス料として20SDRにつき7バーツ、そしてさらに手数料一律85バーツが加算されます。
例えば、1万バーツ分の補償を追加でつけたい場合、SDRに換算したタイバーツで支払う必要があり、220SDR分のタイバーツは現在10,466バーツ(220×47.5729)。
これに加えて、20SDRにつき7バーツの手数料(220÷20×7=77)と85バーツの手数料を足すと162バーツとなります。
EMSの料金
こちらにタイ国内、日本⇔タイのEMSの料金を載せておきますので、参考にしてください。
タイ国内
100gまで | 37バーツ |
101~200g | 42バーツ |
201~500g | 52バーツ |
501~1,000g | 67バーツ |
1,001~1,500g | 82バーツ |
1,501~2000g | 97バーツ |
タイから日本
以下は2018年の航空便での料金となります。
書類
500gまで | 750バーツ |
501~1,000g | 820バーツ |
1,001~1,500g | 900バーツ |
1,501~2,000g | 980バーツ |
2,001~2,500g | 1,060バーツ |
2,501~3,000g | 1,140バーツ |
3,001~3,500g | 1,220バーツ |
3,501~4,000g | 1,320バーツ |
4,001~4,500g | 1,420バーツ |
4,501~5,000g | 1,500バーツ |
パケット(包装物)
500gまで | 960バーツ |
1kg | 1,060バーツ |
1,5kg | 1,170バーツ |
2kg | 1,270バーツ |
2,5kg | 1,380バーツ |
3kg | 1,480バーツ |
3,5kg | 1,580バーツ |
4kg | 1,690バーツ |
4,5kg | 1,790バーツ |
5kg | 1,900バーツ |
6kg | 2,100バーツ |
7kg | 2,310バーツ |
8kg | 2,520バーツ |
9kg | 2,730バーツ |
10kg | 2,940バーツ |
15kg | 3,980バーツ |
20kg* | 4,470バーツ |
*20Kgからは EMS よりも Logispost World の方がお得になります(20kgで3,885バーツ)。
一般の航空会社では、23kgを超えない荷物を2個まで預かってくれるというところが多く、日本に帰るときに多少荷物が増えても平気ですが、格安航空会社では重量によって料金がかかります。
例えば、ノック・スクートでバンコクから成田まで、40kgの受託荷物の料金は2,250バーツです。
EMSは自宅まで届けてくれるという利点がありますので、料金だけで比較することはできませんが、日本から物品を送る場合はその点も考慮に入れて検討してください。
日本からタイ
500gまで* | 1,400円 |
1kg* | 2,100円 |
1,5kg* | 2,700円 |
2kg* | 3,300円 |
2,5kg | 3,800円 |
3kg | 4,300円 |
3,5kg | 4,800円 |
4kg | 5,300円 |
4,5kg | 5,800円 |
5kg | 6,300円 |
6kg | 7,300円 |
7kg | 8,100円 |
8kg | 8,900円 |
9kg | 9,700円 |
10kg | 10,500円 |
15kg | 14,500円 |
20kg | 18,500円 |
*2kgまでの場合、国際eパケット(航空便、国際書留)の方が安くなります(2kgで2,360円)
最後に
私のタイのEMSの利用頻度はそこまで高くありませんが、これまでに不着や内容物の破損などのトラブルは起きていません。
しかし、心配であれば、限度額はありますが、オプションで保険をかけることができるサービスを選ぶこともできます。
タイ国内でも日本向けでも、郵便局に行って小包を出して「これを○○まで」だけだと局員にどのサービスで送るのか勝手に判断されてしまいますので、
- どれくらいの日数で届いてほしいか
- 追跡サービスを利用したいか
- 保険をいくらかけたいか
この3つをしっかり伝えた上で利用しましょう。
また、基本的には追跡サービスを利用し、届け先に荷物引き受けの控えを送り、配送状況をいつでも確認できるようにしておくと安心です。