新型コロナの影響~タイで働いている一日本人はいまどう過ごしているか
店内ではマスクを着用するよう促すセブンイレブンの張り紙ー筆者撮影

2020年(仏歴2563年)がこんな年になるなんて、いったいだれが予想できたでしょうか?

昨年12月に中国・武漢で発生した新型コロナウイルスは、今年1月8日には国境を越えてタイでも確認され、その後は世界中に広まって混乱と多くの問題を引き起こしています。

この影響をまったく受けないという人はいないと思います。

タイで大学教員をしている私は、ちょうど授業のない長期休暇中なのでメンタルは大丈夫ですが、これからのことをいろいろと考えて不安になっています。

この記事では、在留邦人のひとりとして、タイでいまどう過ごしているかうちの状況と私の考えていることをシェアさせていただきます。

スポンサーリンク

タイの2020年3月下旬~5月上旬の社会状況

タイ疾病対策部ウェブサイトより

3月下旬に緊急事態宣言が発令されてから、飲食店や商業施設が完全にクローズド、夜間外出禁止令(22時~4時)が出され、アルコール販売も禁止など、新型コロナの蔓延を防ぐために日本とは比べ物にならない厳しい措置が取られていました。

タイは軍事政権の後継ということで、政府がかなり強権を発揮して伝統的なタイ正月も中止に追いやるほど。

国民のコロナに対する恐怖心もあって、ほとんどの人が1ヶ月強を自宅でおとなしく過ごしていました。

いまだ国際旅客便は飛行禁止で、外国人の入国はできません。

観光客相手の商売を生計を立てている人が多いタイをロックダウンするということは、経済的にかなりきつくなる措置ですが、政府が早々に決定を下したので、日本と比較すると新規感染者数は少ない状況です。

タイ政府の対策が功を奏し、5月に入って新規感染者数が一桁の日が続き、3日には酒類販売も持ち帰りに限ってOKとなり、理髪店などに条件付きながら営業再開許可が下りました。

このままの調子でいけば、政府は段階的に規制を緩めていく方針です。

スポンサーリンク

バンコクとタイ国内の様子

バンコク中心部にある観光名所プラ・プロム(エラワン廟)。普段は参拝客が絶えないが、新型コロナの影響でこの日はまばら(3月19日筆者撮影)。

自宅に巣ごもり生活なので、ドンキ2号店がオープンしたといってもわざわざバンコクに買い物に行ったりはしていません。

最後にバンコクに行ったのはロックダウン直前

ただ、知り合いから様子を聞いたりツイッターで情報収集したりした感じでは、普段は渋滞が醜いバンコクも通りがお正月のように車の往来が途絶えて生活しやすいとか。

また、タイに限ったことではありませんが、観光客がパタッと途絶えた海がきれいになり、いままで壊滅的だった自然環境が元の姿に戻りつつあるというニュースも耳にしました。

自然から人間界への警告という言葉が頭をよぎります

また、タイ各地で人々が助け合いの精神を発揮し、心温まるニュースもよく目にします。

タイ人の配偶者がいらっしゃる方の多くは、マスクや消毒用アルコールを余分に買って会社のスタッフやコンドミニアムの警備員さんに分けたりする様子を見て、タイ人のやさしさを再認識されているようです。

その一方で、世界的に在宅時間が長くなるにつれてDVも増加しているという話も聞きますが、残念ながらタイでもそんな報道があります。

うちは幸い夫婦、親子間の仲は良い方なので...
スポンサーリンク

買い物、食事と生活費

タイでもデリバリーサービスが大活躍

食事はレストランでできるようになりましたが、まだデリバリーのみにしている店も多く、店内で飲食をするにしても間隔をあけたりテーブル間についたてを立てたりしなければなりません。

うちは郊外に住んでいるためデリバリーのチョイスが少なく、基本は3食自炊。

不必要な外出を避けるという意味でも、これまで1週間に1回スーパーに買い出しに行く以外はアパートにこもって暮らしてきました。

タイ政府が電気代を6割引き、水道代も安くする救済策を打ち出し話題になりましたが、うちはアパートで何ユニット使ったかで支払う仕組みなのですが、今のところ特にその恩恵を受けてはいません。

しかし、外食がほとんどなくなったせいで、毎月の家賃・光熱費込みの生活費が4万バーツなのが、4月は2万6千バーツに抑えられました!

春休みの過ごし方と子どもの教育

タイの公立学校の2020年度スケジュール

この春から中2になる息子の学校は、3月中旬~5月中旬は長期休暇なので、学習については特に影響はありません。

ただ、例年4月にする日本への一時帰国が取りやめになり、じゃあタイ国内のどこかで過ごそうかと考えたら国内も旅行できなくなってしまいましたので、うちにいてオンライン学習を1~2時間するほかはゲームとYouTube...

でもちゃんと毎日会話してるし、例年だと日本で羽を伸ばしている時期なので、好きにさせています。

いつも週末に通っている息子のサッカー教室も長らく中止になっていて、酷暑のためただでさえ室内にいる時間がほとんどになってしまうのですが、近くの公園はまだ使用禁止ということで、ちゃんとした運動をするのには最低でももう数週間待つ必要がありそうです。

彼はタイの現地校に通っていて、通常は5月中旬から新学期が始まるところ、今年は新型コロナの影響でそれが繰り下げとなり、7月1日スタートとなりました。

  1学期 2学期
通常 5月中旬~9月末 10月末~翌年2月末
今年度 7月1日~11月30日 12月1日~来年4月30日

このように、今年は例年と比べて1ヶ月半遅れて新学期が始まる予定なので、その遅れを取り戻すために赤字の通り学期間の休みはなし!

しかも、 4月末まで授業があるため、来年の今頃、日本に行けるとしても2週間滞在できるかどうか... 

それにしても、すごいぎゅうぎゅう詰めのスケジュールです(汗)

生徒も教師も、体力とメンタルが保てるのだろうか...

実際に登校するまでまだ6週間ほどありますが、今月半ばからDLTVという、教育相が運営しているインターネットテレビの教育プログラムがあり、それを自宅で受講しないといけないようです。

なお、日本人学校とインターナショナルスクールではインターネットを使った在宅学習となっています。

仕事、収入と投資

2020年3月にはタイ株が9%下落し、売買の緊急停止も起こった。

私の仕事は、息子の学校とスケジュールが似ていて、新学期前の長期休暇なので 、現在は授業はなし。

給与は毎月支払われます。

ですが、研究室に立ち入るのにも事前に許可をもらう必要があり、めんどうなのでほとんどの資料を自宅に持って帰り、自宅で文献を読み漁ったり論文を執筆したりしています。

大学も経営なので学生の確保が大変でしたが、キャンパスが閉鎖される前になんとか入試業務を終え、学生数も確保しました。

ところが、オンライン授業になるなら入学を辞退したいという学生(主に留学生)が数名いて、これからの状況をみて授業方法を模索していく必要があります。

今まで以上にち密な授業計画を立てなければならず、数回のレクチャー動画を試し撮りしたりもしています。

ニュースで、オンラインでなく従来の受講方法がいいという大学生の意見多数...

しかし、例年ですと私はこの時期に勤務先の大学以外に社会人向け講座の講師を務めたりしているのですが、そちらの方がすべてキャンセルとなり、その分の収入がなくなってしまいました。

日本で払っている年金と息子の学資保険、タイでの生命保険と年金保険の支払いが4~6月にかけてドカッとくるので、悔しいですが一時的に貯金を少しだけ切り崩さないといけません。

タイ株は安くなったので、保険料の支払いと息子の学費の支払いもあるのにも関わらず少し買い足し、PTT株で数千バーツ儲けさせてもらいましたが、再投資に回しています。

いままで購入していたLTF(長期投資信託)やRMF(退職準備投資信託)の価格は、ファンドにより17~22%下落していますが、コロナはいつかは終息するでしょうし、そうすればまた資産価値は戻ると楽観的に考えています。

 

タイ在住者の方は、今年は6月末まで「SSFX」という、LTFの後継SSF(スーパーセイビングファンド)のさらに限定バージョンが販売されています。

投資した金額は10年間引き出せませんが、SSF、RMF、プロビデントファンド、生命保険の合計50万バーツとは別枠で20万バーツの税控除枠が設けられていますので、余裕がある方は購入されるといいと思います。

カシコーン・アセットによるSSFXの説明

投資に関しては、今は投資家が景気が上向きになるようなポジティブなニュースが流れるのを待ってるような状況だと感じています。

タイという国全体が油断してコロナの第2波が来ないか状況を注意深く見守りながら、ポートフォリオを少しずつ調整するのがいいかと思います。

最後に

近所の市場で検温を受ける息子

コロナ禍で私は、

  • 恒例の日本への一時帰国取りやめを余儀なくされ
  • スケジュールが完全に狂わされた(ここ数ヶ月だけでなく、来年まですべての予定がキャンセル)
  • 3月と5月にもらえるはずだった臨時収入がなくなった

という痛手を被りました。

日本への旅行キャンセルは、お金を使わなくて済むと思えばいいですが、多くの外部講演機会やそれに伴う臨時収入も失うのは...

それでもなんとか家族を養ってはいけますが、日本でもタイでもけっこうきつい状況の人は多いですよね。

バンコクでお店の経営をしている方も、急いでオンライン・デリバリー販売に切り替えたり、タイ人の配偶者の実家に身を寄せて営業再開できるのを待っているという人もいます。

また、会社経営をされている方によると、コロナの影響で世界で外国人が失業しており、人材派遣会社を通じていままでになかった国からの応募があるそうです。

実際、うちの大学でも外国人講師が一人解雇され、さらに学部長からレイオフの話まで出ました。

海外で働いているとビザのことがあるので、年齢が高くなればなるほど、失業すると「人生詰んだ」という状況になりかねません。

ですが、どんな状況になっても決してやけくそ・自暴自棄にならないことが大事です。

あきらめたら、経験・実績・信頼など、いままで培ってきたものすべてが失われてしまいます。

 とにかくいまできることをすべてする、または今のうちにできることを増やす。 

あと、個人的には時間の使い方を考えることがとても大切だなあと痛感しています。

ちょっと油断してボケーっとするとすぐに一日が終わってしまい、論文も今日一日でこれだけしか書けなかったのか、ということも(泣)。

ビーチにいないのは残念ですが、わざと頭を空っぽにする時間を作るのはありだと思います。

以上、タイに住んで現地採用で働いている一日本人がバンコク郊外でどんな生活を送っていてどんなことを考えているか書いてみました。

新型コロナで亡くなられた方々に哀悼の意を表し、医療に従事されている方を心より応援させていただきます。

私は医者のように直接人の命を救うことができず非力ですが、新学期が始まったら授業がどんな形式になるにしろ学生たちを勇気づけたい。

みなさん、経済的にも精神的にもつらいですが、なんとか現状に耐え、将来を見据えて乗り切りましょう。

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事