
小学5年生の私の息子はタイの現地校に通っているんですが、サッカー教室でもタイ人コーチに教わっています。以前、バンコクまで日本人のサッカークラブでお世話になっていて、そこもとても良かったんですが、何しろうちから45㎞の道のりをバスとBTSを乗り継いで片道2時間弱かけて通うのがきつくなったのと、本人が週一回だけでは物足りなくてもっと教わってたくさんプレーしたいというので、うちから通える少年クラブを探しました。
タイのサッカー熱はすごい
タイ人はサッカーが好きで、特にプレミアリーグの人気は半端ないです。チェルシーのエンブレムの入れ墨をしている人を見かけたこともあります。岡崎選手が所属するレスターシティのスポンサー「キングパワー」はタイの免税店で、オーナーはタイ人ですね。
20人ほど日本人選手も所属しているタイのプロサッカーリーグのレベルも上がってきていて、Jリーグの試合もタイで放映されるようになりました。チャナティップ選手は札幌に入団を果たしましたし、もうすぐティーラシン選手が広島に加入しますね。活躍が楽しみです。
ナショナルチームも、ロシア・ワールドカップの最終予選はグループ最下位とふるいませんでしたが、最近メキメキと力をつけてきていることは確かです。
タイでU-16を教えるコーチ
息子の現在のサッカーの先生はタイのUー16代表のコーチで、タイのサッカー界では良く知られている存在です。息子が所属しているサッカークラブもこのコーチが設立したもので、ノンタブリー県にあるサッカー場で毎週土日の午前中にトレーニングをしています。クラブチームのユースでの指導を度々打診されるのですが、教育方針が合わず断って自分の教室を始めたということです。
よくテレビでプレミアリーグなどサッカーの試合が放映されているとコメンテーターを務めていたりします。
今月初めにM-150カップという若い世代の国際親善試合がタイのブリラムという町であり、日本は初戦を地元タイと戦いました(2017年12月9日)。
土曜の練習の時に
と教えてくれたので、その日の夜息子とテレビで観戦すると、コーチが解説を担当されていました。
日本は1-2で負けてしまい息子は残念がっていましたが、翌日のトレーニングに行くと、
そんな優しいコーチは教え方がユニークで、よく冗談を言って面白く、怒ることは皆無。もちろん体罰などとは無縁です。笑顔を絶やさず、口頭で優しく丁寧に説明することもできるし、実際にやってみせることもできる、素晴らしい先生だと思います。
サッカークラブの指導方針

コーチと保護者とのミーティング。右億の青いキャップを着用している方がチャイヨンコーチ。
コーチからクラブの説明があり、
- まず楽しく
- ケガをしない
- 様々なボール・コントロールのスキルを身に着ける
- そしてチームとして機能させる
という順番で子供を成長させていきたいというお話でした。
このクラブはコーチと保護者が一緒に作り上げていくようなところがあり、定期的に保護者とのミーティングがあって指導方針の説明をしたり、また保護者がトレーニングで疑問に思ったことは遠慮なく質問することができます。
また、私も参加させていただいているんですが、サッカー好きのお父さんたちがチームを組んでユニホームまで作って子供たちと試合をしたり、対外試合のときは他チームのお父さんたちと試合をしたりもするんですよ。以前カンチャナブリー県まで遠征に行ったときに相手チームの父兄と試合をしましたが、なんと場内に実況中継まであり、私がプレーすると
という声が聞こえ、とても恥ずかしかったです...
ある時、練習が終わってからコーチに息子について聞いてみたところ、
と息子の頭を撫でながら褒めてくださいました。そして、
と聞くと、
とあまり気に留めていらっしゃらないようでした。
私も小中学生の頃は少年クラブと部活でサッカーをやっていましたが、出来ないことを見つけて克服することにかなりウェイトをおいて、自分の得意な部分を伸ばすどころかそれに気づくこともありませんでした。
ですが、こういう思考法だったのでまず自分に自信が付きませんでしたし、明確な目標がなかったのでなかなか上達しませんでしたし、楽しくなくって惰性で練習をしていたので生産的とは言えませんでした。
私も教育に従事しているので思うのですが、どんな小さく些細なことでも、将来その子の特技になりうるであろう原石のようなものを見つけて磨く手伝いをしてあげるということが、教育には必要なんじゃないかと思います。
トレーニング内容
ここのクラブでは個人技を磨く練習・テクニックの指導が多いです。その理由は、リフティングが1回多くできた、狙ったところにボールを蹴れるようになった、フェイントで相手を抜くことができた、強いシュートを打つことができたなど、子供たちがすぐに上達を感じられるから。
それから、一対一でボールを奪い合ってせり勝つための練習もよくやっています。普段は仲良くのほほんとしている子供たちですが、試合モードになったら闘争心を駆り立てないといけない。そのOnとOffの切り替えを子供たちにもちゃんとやって欲しいとお話されていました。
コーチとアシスタントの先生はよく通る大きい声で指導しているが、不思議と威圧感はないです。
息子はちょっと慎重すぎるところがあり、ちょっと距離があってもチャンスがあれば狙え、ゴールが見えたらすぐシュートと言われています。また、待ってるんじゃなくてボールをもらえるように動け、とポジショニングをよく注意されています。
最後にミニゲームが必ずあるのですが、練習を終えて帰りに挨拶するとき必ず
と聞いてくれます。きっと自信をつけさせようとしてくださっているんでしょう。
印象的だった対外試合
とある日曜日にバンコクまで他チームとの交流試合に行ったことがあります。
息子のチームはまだできて間もなく、個々の能力もチームとしてもまだまだで、実力の差は歴然としていました。しかし、コーチは子供たちが何点取られても
と励まし続け、後半にはアシスタントコーチに
タッチライン際に立って大声ですごい剣幕で子供たちに指示を出す他チームのコーチとは対照的でした。
これからどう子供たちがチームとして育ち、どう強くなっていくのか見守りたいと思います。
将来の夢(?)
コーチはJリーグの川崎フロンターレを訪問したこともあり、ユースチームの指導について視察したりと教育熱心でもあります。将来はムアントンやブリラムといったプロチームの下部組織の子供たちと練習試合が組めるようにしたいと仰っていました。
そして、保護者から「日本に子供たちを連れて交流試合&Jリーグ視察に来たい」という話が出ているんです。お父さんたちからも「日本に行くことになったらいろいろ手伝って」、と言われています...
私の地元にもJリーグのチームがあるんですが、そんなことできるんでしょうか?でも実現できたらいいなあと心の中では思っていますよ。