
みなさん、こんにちは。
バンコクのドゥシット地区、ラマ5世通りにあり多くの人々に親しまれてきたタイ最古の動物園、ドゥシット動物園が将来的な移転のため今月(2018年8月)いっぱいをもって閉鎖になるニュースを今月はじめに知りました。
ちょうど仕事が行き詰っており気分転換に必要を感じていて、思いがけず時間が空いたので思いつきで行ってきました。
閉鎖前に再訪し、園内をくまなく回り、前回を上回る魅力を感じましたので、その様子を別れを惜しみつつシェアさせていただきます。
*追記:ドゥシット動物園の閉鎖が1ヶ月延期に
公式フェースブックページによると、別れを惜しむ人たちのために動物園の閉園が1ヶ月延期され、2018年9月30日までとなりました。
ข่าวประชาสัมพันธ์ วันที่ 24 สิงหาคม พ.ศ. 2561 ตามที่ องค์การสวนสัตว์ ในพระบรมราชูปถัมภ์ และ สวนสัตว์ดุสิต...
閉園10日前のドゥシット動物園の様子
調べてみると、昨年2017年末にはすでにこのニュースが出ていましたので、すでに動物園が閉鎖される決定はなされていたようですが、メディアに取り上げられ広く知れ渡るようになったのは今月2018年8月に入ってからじゃないでしょうか。
私たちは移転のことはつゆ知らず、お正月に一度訪れており、息子に閉園のことを伝えたら「えーっ!?アナコンダがすごく気に入っていたのに...」とすごく残念そうな顔をして、自分も悲しくなりました...
今月末までしか営業しないことを知ってか、月曜日だったにもかかわらず多くの訪問客で、車で行ったのですが、専用駐車場ではなく池の周りの道沿いに縦列駐車するように係員に誘導されました。
小さなお子様連れやカップル、小学生の集団のほかお坊さんの姿も見受けられ、ベビーカーだけでなくお年寄りや足の不自由な人も車いすで回っていました。
私は11時から3時半頃までいましたが、午後1時からは本格的に混み始め、アザラシのショーが始まる3時頃がピークでした。
前回見れなかった動物や展示物を合わせたハイライト
これで最後の来園になると思い、蒸し暑い中、前回家族で来た時に見逃した動物も含め、4時間半ほどかけて園内をくまなく回ってきました。
まずはラチャウィティ通りの入り口の左手にある停留所から、園内を周回するトラム(小学生の集団は3グループほどが来園していたせいもあり、結構混雑していました)で園内を時計回りに回って同じ場所に戻ると、サルがいる高い檻があり、階段を上がると上方にいるサルと対面することができます。
*トラム利用料は入園料には含まれず、大人25バーツ、子供10バーツが別途必要です。
ここでは、前国王ラマ9世の数々の偉大な業績の一つを知ることができるのですが、タイ語と英語の案内板が古くとても読みにくくなっていたのが残念です。
いまさらながら感銘を受けたのでここに紹介させていただきます。
その代わりに、彼らはバナナをほおぶくろにため込み、もうこれ以上口にバナナが入らなくなるかバナナが完全になくなるまでこれを繰り返し、それからやっと噛んで飲み込むことをします。
この一連のサルの行動は、チャオプラヤー川の東西に位置する水没地域から排水するための良いモデルとなる...
プミポン国王陛下の1995年11月14日のスピーチ
1995年の大洪水を受けて始まったこのプロジェクトは、実際に乾季に農業地域で使用する水を貯蔵したり、雨季に貯水することにより洪水の深刻な被害を防ぐのに役立てられています。
そのまま雰囲気の良い木の遊歩道を進むと、この動物園の見物のひとつでもあるホワイトタイガーと、この地域でしか生息していないマレーグマに会うことができます。
マレーグマの決定的瞬間を捉えた!?(タイミングよく用を足している途中でした...)
大あくびのホワイトタイガー。
さて、この散歩道の終わりまで来て階段を降りると、小さいながらもある種独特の雰囲気に包まれた場所があります。
それが、第二次世界大戦中の1941年に動物園来園者を空襲から守るために作られた防空壕です。
この防空壕は大戦中のものではなく、戦後にはこの場所にカモシカが陣取っていて、カモシカの自然生息地を模倣するために崖が作られ、カモシカが別の場所に移動した後に再建されたものです。
とはいえ、このシェルターの後方にある戦時中の白黒写真の数々の展示と相まって、動物たちの愛くるしい表情から数分だけ離れて過去の歴史を振り返り、これからの平和を考えさせられる一角です。
さて、前回訪れたときも書きましたが、ここのエアコンが効いた爬虫類のコーナーの蛇はユニークで色も鮮やかなものが多く、見る価値があると思います。
今年1月に訪れた時に建設中だったバードアイランドは、鳥類ばかりを集めたエリアということで楽しみにしていたのですが、大きな檻や建物など大枠は完成しているようでしたが、結局ここに鳥たちが住むことなく、このエリアも開放されないまま閉鎖の憂き目に。
その代わりに、今回印象に残った動物を2つご紹介します。
一つ目は Cassowary(ヒクイドリ)という、オーストラリアのカラフルな鳥で、ペンギンのコーナーの近くにいます。
二つ目はくちばしが交差した奇形のペリカン。
はじめは自分でえさを食べることすらできなかったのですが、飼育スタッフのトレーニングの甲斐があって、いまでは他のペリカンとほぼ同じような暮らしをしています。
移転先と今後の展望
もともとはเขาดินวนา(カオ・ディン・ワナ)と呼ばれる植物園で、ラマ7世によって一般開放された王室の土地だったわけですが、報道によると、現在約1,000頭の動物を保有しているこの動物園が手狭になったため、ワチラロンコン国王から寄贈されたパトゥムタニ県のランシットの土地に移転されるということです。
新動物園は現在の面積の3倍にあたる3,000ライ(480万㎡)もの広さがあるということですが、建設やオープンの時期は未定で、その間動物たちはカオキアオ(チョンブリー県)、チェンマイ、ナコーンラチャシマ、ソンクラー、ウボンラチャタニー、コーンケーンの6つの動物園に移送されます。
この際に事故が起こったり、環境が変わって動物たちに大きなストレスがかかったりしないことを祈ります。
第3ゲート付近に、ランシットに建設予定の新しい動物園のプランのディスプレイがあり、モダンかつ動物にも優しいものになるようなので期待して待ちたいと思います。
あとがき
私個人の感想ですが、バンコクという大都会のしかも真ん中にあるということに意義があり、しかもタイ人であれば子供の入場料は20バーツと、お小遣いで入園できるすばらしい場所なので、閉鎖・移転はとても残念な気がします。
良い例えではないかもしれませんが、もし東京の上野動物園が隣県に移転となったらきっと大論争では済まないでしょう。
園内を回りながら、自分が幼い頃、上野動物園で父に抱かれていた薄い記憶(父はこのときスリに遭い、財布を盗まれました...)、そして数年前にやはり自分が同じことを息子にしたことを思い出し、もう戻ってこない過ぎ去った日々に思いを馳せ、この場所ももうなくなるのかと思うと、妙に感傷的な気分になりました。
その一方で、施設が老朽化し、手狭になってきて、来園者から「メンテがなってない」という意見も多く聞かれるようになったことも確かです。
今回は最後ということで、ちょっと見学に気合が入っていたためか、いい大人が一人で行っても、家族と訪れたときとは違った発見があって楽しく過ごせました。
すべてを書くことはできませんが、一度行ったことがある人でも、前回とは違った動物たちの表情を見て、閉鎖前にしばしのお別れを言いに行っていただきたいと思います。
開園時間や入場料金などの情報は、私たちがお正月に行った様子とあわせてこちらをご覧いただければ幸いです。
[blogcard url="https://thaifoodfun.com/dusit-zoo"]ということで、バンコクのドゥシット動物園が80年の歴史に終止符を打ち、今月末で閉鎖というニュースでした。
最後に、愛息の純粋な言葉をみなさんにご紹介してこの記事を終えたいと思います。