
夜9時頃のことなんですが、帰宅のため乗っていたバスで歌が流れていて、それがいままでの王様の功績を讃え、安らかに眠ってくださいという内容なんですね。
去年からたびたび耳にしているので知っていたのですが、それを聴いていたら、26日(木)にテレビで見た葬送行進や棺が台車で運ばれる模様がフラッシュバックしてきて頭が混乱し、心が乱されて涙をこらえきれず、バスを降りて逃げるように帰ってきました。
26日の一連の儀式の放送は22時頃で打ち切られ、プミポン前国王が荼毘に付される、つまり現国王が火をつけて火葬する様子は、当たり前かもしれませんが放送されなかったんです。
ですが、その後LINEで友人たちが、参列者が撮影した火葬場から煙が出ている動画をシェアしていて、ちょうど寝る前に観てしまったんです。
その後、いろんな思いが頭を巡って数時間は眠りに着けませんでした。
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多分、タイ全体がいまままで経験したことのないような雰囲気だったのでそれに飲まれてしまい、また動画が自分にとってショッキングだったのだと思います。
ありがたいことに、うちの近くにお堂があって、いつもは仏像に軽く手を合わせるだけなのですが、そこに座って手を合わせてみました。
5分ほどすると心が落ち着いてきて、自分がいらぬ心配をしていること、これまでしてきたようにこれからもいまできることにコミットすることを確認できました。
タイは本当に住みやすい。気候はいいし、ご飯はおいしいし、タイ人は人当たりがいいし、ミスに寛容だし、あけっぴろげで欲に素直だし、のんびりマイペースで生きてても誰も何も言わない。日本の社会に比べたらストレスなんて何分の一じゃないかな。息子は現地校に通っていますがいじめは皆無です。
で、これだけ日本人が多く住んでいて、就職難でギスギスした日本から脱出してタイで就職したいという話しをよく聞きます。
実際働き口もたくさんあります。
そして、タイに来るのがとりあえずは「日本の社会が息苦しいから」でも「日本に仕事がないから」でもいいと思うんです。
それから、来タイしてから考えが変わって、タイにずっと住もうと思ったけどやっぱり日本に帰りたい、または数年の滞在を予定していたけどタイにずっと住みたい、となるのはいいと思うんです。
でも、タイに限ったことではありませんが、海外で長く暮らしていると日本の社会からは遠く離れてしまったような気がするし、かといって現地人にもなれないし、と自分がなんかこう、宙ぶらりんな存在に感じる時期が必ずくると思います。
その時に「自分は○○○という理由でタイに来たんだ(いるんだ)」という強い思いがないと、人生の不安を覚えたときにパニックになってしまいます。
タイという国で生きていく理由をよく考え、それに対して自身がしっかり納得できているということ。それだけは覚えておいていただきたい。
タイに移住することを検討したり、タイで仕事を探したりしている方に。余計なお世話ですが。
「なんだそんな当たり前のことかよ」と思われたら、時間をとらせてしまってごめんなさい。どうしても自分の胸の内を打ち明けさせていただきたかったんです。
タイ国民が1年間服していた喪が、今日明けました。
奥さんがスーパーに行ったら、もうほとんどの人が色のついた服を来ていて、もちろん偉大な国王が亡くなられて喪に服すのは当然だけど、心の底ではみんなカラフルな服を待ち望んでいたんじゃないかな、と言ってました。
何事もなかったかのように、また普段通りの陽気なタイに戻っていくのかな。