
先日、タイで新車を購入することをお考えの方向けに記事を書いてみました。
しかし、どのくらいタイに滞在するか未定、または新車を買うほど金銭的な余裕はないという理由で中古車を検討する方もいらっしゃるかも知れません。
タイでは日本や欧米諸国に比べると中古車は高値で取引されていて、日本で中古車を購入するときのような割安感がないという話をよく聞きますが、実際はどうなんでしょうか?
ということで、今回の記事はタイで中古車を購入する方法のご案内です。
*タイで新車を購入することについての記事はこちらになります:
[blogcard url="https://thaifoodfun.com/purchase-a-new-car"]
タイの中古車の相場
タイでは、日本ほど鉄道や交通網が発達していないこともあって自動車社会ですので、車の走行距離は日本よりだいぶ長くなります。
日本の中古車関連のサイトなどを調べると、自動車の平均走行距離は1年=1万キロと書いてありますが、タイではそれが3万キロかそれ以上になります。
それから、いろいろな情報を総合すると、タイでは「新車の価値が1年で30%、2年目は20%下がり、その後は減少率は緩やかになる」とありました。
このことについて周囲のタイ人にいろいろ聞きまわってみると、「1年で半分くらいにまで下がるものもあれば、そうでもないものもあり、メーカーにもよるので必ずしもそうとは限らない」ということでした。
そこで一例ですが、同じ車種で新車と中古車を比べてみることにします。
左が新車87万4千バーツで、右が中古車55万9千バーツです。
概算ですが、トヨタで経過年数が4年、走行距離9万キロの中古車で下げ幅が31万5千バーツ、新車の価格の約64%となっています。
また、あとで紹介する中古車サイトで自分の車(日本車、購入額55万バーツ、2013年製で走行距離7万5千キロ)をチェックしてみたところ、
このような査定が出ました。
一般的に日本では車の価格の下落率は年30%ずつといわれていて、この計算だと経過年数5年の私の車は約9万2千バーツしかないことになるので、これに比べるとやはりタイでは中古車を高く売れる=中古車でも高い、ということになります。
ということで、走行距離にもよりますが、「4~5年落ちの日本車で新車価格の6割程度」がある程度の目安になるかと思います。
タイの中古車はどこで購入する?
ネットで中古車を探す
最近はネットでだいたいの見当をつけてからという考え方が主流で、ネットユーザーの要望に応えるために多くのサイトが誕生しています。
まずは以下のサイトをいくつか検索して、タイでの中古車の相場を確認し、先ほどの目安も参考にしながら車選びを進めてください。
タイの自動車オンラインサイトは無数にあり、そのうちのいくつかポピュラーなものをピックアップしてみます。
これらのサイトはその多くがタイ語オンリーなのですが、英語表記もあるものも存在します。
- Motors.co.th – この中古車専用検索サイトは見やすく、検索方法も簡単。予算、場所、希望の車の年数と車種などを選ぶと検索結果が一覧になって表示され、ナンバープレート以外のすべての情報がタイ語だけでなく英語でも表示できます。
- SiamCarDeal – このサイトの特徴は、新車と中古車の検索結果がリストアップされることです。個人で車の売買をしたい人だけでなく、ディーラーで取り扱っている車も一緒に掲載されています。
- One2car – こちらのサイトも同様に、新車と中古車の両方を扱っており、お住いのエリア、希望する車のメーカーと車種、価格帯を選んで検索できるようになっています。
また、タイ語のみのサイトでは RotKaidee や TaradRod という車専門の売買サイトもあり、自分の希望にマッチする車があれば売主とコンタクトをとれるような仕組みになっていますが、車についてのすべての情報が掲載されているわけではなく、細かいことは交渉になるので、タイでの車の知識がないならお勧めできません。
一例を挙げると、RotKaideeで見つけたこの車、
「5年落ちで26万9千バーツなので、走行距離は最低10万キロを超えていて、さもなければ事故車の可能性大」と売り手との交渉前に判断できることが必要です。
このオンライン販売サイトですが、売り手がディーラーである場合と個人の場合があり、ディーラーが出品している車は平均的な市場価格より高い可能性があります。
個人で売りに出している車はディーラーのものより10%ほど価格が低く、車の状態もいいものが多いということです。
サイトに掲載されている車の写真をチェックして、
1.車内に何の装飾品(例えば、ジャスミンの花飾り、ミニチュアの仏像など)がなくてとても清潔
2.他の車と同じ場所で撮影されている
3.ナンバープレートが外されている
これらの場合は中古車ディーラーのものである可能性が高いです。
もちろん、必ずしもそうとは限りませんし、ディーラーでもいい車が見つかることもあります。
しかし、そういう優良品は普通1~2日ですぐ売れていしまいますので、すぐに電話して(タイ人の友人に助けを求めて)詳細を聞いたりした方がいいです。
口コミや人づて
今日、ほとんどのやりとりはネット上で行われていますが、友人・知人・同僚のつてを頼るということもタイ人のなかでは普通にあります。
昔、何年か留学することに決まった学生から「先生、車買う予定ないですか?」と聞かれたことがあります。
その時はまだ安月給だったし、子供もいなかったし、車を買う必要がなかったので断りましたが。
またアメリカ人の同僚が交際していたタイ人女性の母親から車を買った(買わされた?)こともあります。
身近なところでいい中古車が見つかるかもしれませんし、長年の付き合いで本当に信頼が置ける人から買うのであれば、訳ありな車を買わされる心配も少ないと思います。
ただし、お金のやり取りが絡むので、赤の他人に売った方が気を使わなくていいという人もいます。
良い点は
- 付加価値税7%がかからない
- 値段交渉が気軽にできる
注意点としては、
- 購入後の保証がないこと、
- 車の状態を自分で確認しないといけないこと、
- 車の名義変更手続きを自分でしなければならないこと
でしょうか。
中古車販売店
次に、เต็นท์(テン、「テント」のタイ語読み)と呼ばれる中古車販売店で購入する方法があります。
テントというのは、こちらのようによく環状道路沿いに点在し、一区画に2~30台くらいの車が展示しているタイの中古自動車販売店のことです。
[blogcard url="http://www.koonyingcar.com"]こちらは昔担当していた学生の家族が経営しているという販売店。
こちらでの購入は、新車をディーラーで買うのとはまったく異なり、注意すべきことがたくさんあります。
まず、過去の事故・故障・水害(冠水)の事実を隠したり、走行距離メーターの改ざんしたりと、訳アリの車を売りつけようとする悪徳業者も存在します。
中古車だと、購入してから問題が起きた場合、もともと訳ありでリスクを抱えていたのかたまたま自分が運転し始めてから不具合が生じたのかが判断できません。
ですので、もし中古車の購入を検討する場合、タイ人の知り合いに同行してもらったり、第3者である整備士を一日雇って車をチェックしてもらったり、テスト走行をさせてもらったり(させてくれないところもあるということですが、こちらは客なので堂々とリクエストしましょう)といったこともした方がいいでしょう。
多くの中古車販売店はローン会社と提携していて、その場でローンを組むことができますが、手持ちの現金があるなら利子を払わなくていいので一括で即支払いを済ませた方がいいです。
このような中古車販売店でも3ヶ月ないし6ヶ月の保証期間がありますが、もしテスト走行をさせてもらった時でも、購入書類にサインする前にそのまま車に乗って帰れるか聞いて、
などと言うときは、次回受け取りに来るときに車のパーツなどを粗悪品に交換される疑いもあります。
騙されることを前提にするのは気がひけるのですが、友人の友人が中古車販売店をやっていて、単刀直入にそういうことがあるかと聞いたところ、
というようなことを言っていたので、それくらい注意深い方がいいのではと思うわけです。
ただし、11万バーツで中古ピックアップトラックを買って、8ヵ月後に14万バーツで売った(大きな引越しがあったので)という友人もいますので、このように頻繁に買い替えをする人ならテントで買うのもいい選択肢かも知れません。
さて、中古車販売店でもタイ人がここなら信頼が置けると言って教えてくれたのがToyota Sure。
このように中古車だけを販売している店舗もあれば、ショールームがあるトヨタのディーラーと併設した中古車コーナーのようなところもあります。
ここはトヨタの公式中古車販売店で、車の質もサービスもよく、1年または2万キロまで保証とサービスはいいですが、その分価格も高めです。
タイで車の名義変更をする
中古車販売店で車を購入すると所有者の名義変更はお店でやってくれますが、個人間取引の場合は自分でする必要があります。
まず、最寄りの陸運局にすべての書類を提出し、それを正式にチェックしてスタンプをもらいます。
必要書類は、
1.売り手と買い手、双方のパスポート(ID)
2.車両登録証
3.ワークパーミット
4.申請書
5.名義変更する車両
この段階で、他県で登録されていた車を購入した場合、確認に時間を要するので数日後にまた来るようにと言われる場合があります。
書類がチェックされたら、今度は車を調べるために検査場に車を移動させます。
この検査では、車の詳細が提出された申請書と一致し、問題がないかが確認されます。
最後に、ナンバープレートと車両登録証を受け取ります。
同じ県内で車の所有者が変更になる場合(車のナンバープレートがバンコクで、新しい所有者もバンコクで車両登録する場合)は、陸運局の混み具合にもよりますが数時間以内にすべて手続きが完了しますが、別の県に移管する場合は数日かかるでしょう。
名義変更費用は105バーツで、これに車の見積もり額の値段x0.005バーツの印紙代がかかります。
たとえば、車が30万バーツであると判断された場合、名義変更にかかるコストは、
(105+(300,000 x 0.005))で1,605バーツになります。
この手続きは、自分ですることができない場合は、委任状を作成することで第三者に依頼をすることができます。
なお、別の県に登録されている中古車には新しいナンバープレートが必要になり、その際の費用は約200〜300バーツです。
最後に
このように見てくると、もしタイ語が完璧に話すことができる方でもいろんなことを考慮する必要があり、なかなか購入に踏み切れないかと思うのですが、いかがでしょう?
タイで良い中古車を見つけることは外国人だけでなくタイ人にとっても非常に難しく、あまりお勧めしません。
私はタイで中古車を購入したことはありませんが、身近なタイ人20人くらいの話を総合して記事を書いてみました。
私の車は今年で6年目ですが、来年には買い替えを検討しています。
個人的には、車の価値が日本ほどガクッと落ちないのであれば、新車を5~6年乗って買い替えが効率的ではないかと考えます。
以上、参考になれば幸いです。