
タイで就職したときに、外国人の職員ばかりを集めたミーティングで上司が「タイのバナナは50種類以上(実際は100種類以上らしい)あるんだぜ」と誇らしげに説明していて、他の同僚と「最初の訓示がこれかよ」と、体中の力が抜ける感覚を味わった記憶があります...
また、息子が離乳食をはじめたころ、ベビーシッターさんが完熟したナムワーという種類のバナナをよく持ってきてくれて、スプーンで小さく潰して丁寧に食べさせてくれました。そのおかげだと思いますが、今では病気をほとんどしない、とても元気な子に育ってくれています。
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タイで一番身近な果物の一つ
年中温暖な気候だと栽培が簡単ということで、実際バナナはタイで一番身近な果物の一つなんですが、それを一番実感するのが職場に植えられたバナナの木。
バナナの実と花が見えます。近づいて調べてみましたが、花に匂いはありませんでした。
花が枯れ落ち、実がしっかり着いています。庭師さんが適当な箇所で先端を切り落とすようです。
あちこちでたわわに実ったバナナを見かけますが、最近はセブンで1本8バーツくらいで売り始めました。
バナナは房を切り取ってから完熟させます。
私の勤務先では時々、給湯室にドカッとバナナが置いてあり、掃除のおばちゃんが「持っていって」と房からもいで袋に入れてくれまして、小腹が空いた時にはありがたいです。
タイの代表的なバナナ3種類
100種類も存在してもすべてを食べることはできませんが、うちの近所のスーパーで見かけた代表的なものをご紹介したいと思います。
クルアイ・ナームワー(กล้วยน้ำว้า)
とてもポピュラーな品種で、腹持ちがいいです。
クルアイ・ホーム・トーン(กล้วยหอมทอง)
ホーム=良い香り、トーン=金という意味です。品の良いゴージャスな甘みが口いっぱいに広がります。
クルアイ・レップ・ムー・ナーン(กล้วยเล็บมือนาง)
レープ=爪、ムー=手、ナーン=女性。その名の通り、先が尖った形が特徴。
食べ頃と産地
タイに来る前の話ですが、昔バナナを買ったとき、皮が鮮やかな黄色をしていて実も薄黄色で食べ頃だと思ったのに青臭くて苦くて、それ以来長い間食べていなかったんですが、黒い斑点が皮に表れたら食べ頃ということみたいです。
市場やスーパーでは、熟す前の緑のバナナと熟して黄色くなったものが売られていて、食べたい時期と熟し具合を考えて購入します。店員さんに聞けばいつ頃食べられるか教えてくれますよ!
主にタイの中部(ベップリー県、パトゥムタニー県、チャイヤプーム県)と南部(チュンポン県、スラタニー県)で栽培され、季節に関係なく家の庭でも手軽に栽培できるバナナですが、近年は輸出量も増え、食の安全の意識も高まり無農薬栽培が主流になってきているそうです。
生で食べる以外にも揚げたり焼いたりしてデザートになるのですが、実はまだデザートのバナナは食べたことがないので、見つけたら試食してご報告したいと思います。
ค้างคาวกินกล้วย(カンカーウ・キン・クルアイ:コウモリがバナナを食べる)という有名な民謡があるくらい、バナナは昔からタイの人々の生活に深く根差している果物なんです。