タイにおけるCovid-19ワクチン事情とアストラゼネカ社製ワクチンの接種体験記

日本だけでなく、タイにもワクチンを接種するのに懐疑的で慎重な人は多くいます。

例えば、私の勤務する大学の学部(学生数約1,300、教員数約120)で新学期開始にあたってアンケート調査した結果、98%の常勤・非常勤講師が「ワクチンの2回接種を完了した」「1回目の接種を終えた」「接種の順番を待っている」と回答し、「接種するつもりはない」と答えた人は全体のわずか2%だったのに対し、学生の方は「まだ接種を受けていない」と「接種するつもりはない」を合わせると80%近くに上るという結果となりました。

そんな中、職場でアストラゼネカ社製のワクチンの接種を希望するかどうか聞かれ、考慮の末接種を受けに行くことに決めました。

この記事では、タイにおける現在の新型コロナウイルスワクチン事情と実際に接種を受けてきた私の体験談をシェアさせていただきます。

これからワクチン(特にアストラゼネカ社製)の接種を予定されている方のお役に立てれば幸いです。

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タイでの新型コロナウイルスワクチン事情

タイでは、2021年末までに全人口の約70%にあたる5千万人にワクチン接種を完了することが目標に掲げられていて、6月から実際に開始されています。

国籍や在留資格に関係なくすべての人が接種対象とされていて、日本人を含む18才以上の外国人が接種を受けるには、タイ政府のプランに従った方法と私立病院のプランに従った方法があります。

タイ人は、タイ保健省のLINEアカウント「หมอผร้อม(モープローム)」、タイの保健ボランティア「อสม(オーソーモー)」、または Walk in と言って、病院、ショッピングモール、地下鉄駅、スポーツ施設、ガソリンスタンド、大学キャンパスなどに設けられた特設会場で直接接種の予約ができるようです。

一方、私を含めてタイで働いている外国人は社会保険に加入しているので、職場を通じて案内がきて予約し、指定の日に接種に赴くか、または自分で病院に予約を入れるという方法が一般的なようです。

接種日の2~3日前に突然職場で接種を受けるかどうか聞かれ戸惑う人も多数いるようです。

タイ政府が承認しているのは、シノバック(Sinoac)、アストラゼネカ(AstraZeneca)、ジョンソン&ジョンソン(Johnson & Johnson)及びモデルナ(Moderna)の4種類のワクチンですが、この記事を執筆時点で実際に接種されているのはシノバックとアストラゼネカです。接種は無料で受けられます。

サミティベートなどが加盟するタイの私立病院協会では前述のシノバックとアストラゼネカに加え、モデルナ社製のワクチン接種を10月をめどに行う計画で、こちらは2,000バーツ弱の料金がかかりますが、予約を受け付けていました。

しかし、供給できるワクチン数に限りがあるようで、現在では予約登録を状況している状況です。

タイ政府はシノバックとアストラゼネカ以外のワクチンを輸入することに消極的で、医療関係者たちが中心となってmRNAワクチンの早期輸入を求めています。

また、バンコクポスト紙によると、ファイザー社製のワクチンがタイに届くのは12月頃とのことです。

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タイの職場でのワクチン接種

筆者の勤務する大学の新型コロナワクチン接種会場に置かれたボード。これをバックに記念撮影する人も見受けられた。

アストラゼネカを選んだ経緯

5月下旬に大学から「シノバック製ワクチンが少し余っているから予約を数人分受け付けていて、もし接種を受けたい場合は至急返信してください」というメールが来たのですが、有効性に対する疑念から、モデルナかファイザー(タイ政府が7月6日の閣議で購入を承認)をタイで接種できるまで待つつもりでした。

しかし、6月中旬になって大学から「アストラゼネカの受付をします」という案内が来たとき、

  • 勤務する大学が「接種を受けなければ7月からの新学期に対面授業は許可しない」と言い出すかもしれない
  • タイでの感染者数が一向に減らないどころか逆に増えてきている
  • シノバックよりはアストラゼネカの方が信頼がおけるし有効性が高い

という3つの理由で当初の考えを変え、メール内にあったグーグルフォームで申し込みを済ませました。

ワクチン接種当日の様子

6月15日の朝9時。接種会場である学内の会議場に行くと、別のキャンパスから来た教職員のグループを乗せたバスが何台も止まっています。

地下駐車場に誘導され、そこで検温があり、名前と電話番号を記入させられ、予約票のスクショとパスポート、教員証を提示して体温を測り、完全防備のスタッフから番号札を受け取り、ずらりと並んだパイプ椅子に座って30分ほど順番待ち。

自分の番号が呼ばれると、他の4~5人とまとまって地上に上がり、2つ目の受付で先ほどの受付よりさらに詳しいチェックがあり、所属学部と生年月日などの個人情報を確認され、アストラゼネカのワクチン希望で間違いないか確認があります。

それが終わると、3つ目の受付で体温と血圧測定。正常と確認されてから手をアルコール消毒し、いよいよ接種会場である会議場の中に入ります。

広い会議場の内部は、接種会場と接種後の待機場所の2つに分けてありました。

接種会場の方は、真ん中に広く通路設けてある通路の左右にパーティションで仕切られたブースが4つずつあり、それぞれに接種を行う医師とそれをアシストするスタッフの2人がいて、空いたブースに呼ばれて椅子に座ります。

女医さんから「アストラゼネカですよ」という確認があり、左腕の袖をまくって肩に接種されるのですが、注射針が細かったのか、痛みはほとんどありませんでした。

ローカルな飲食店でよく見かけるガラス扉の業務用冷蔵庫がいくつか並んでおり、アストラゼネカのワクチンは保管が超低温でなくてOKと書いてあった記事のことを思い出しました。

新型コロナワクチン接種後の待機場所の様子

そのあと接種時刻とロット番号の印刷された紙片を受け取り、待機場所で過ごします。

帰宅できるのは接種した時間から30分後ですが、「自分の時計の時刻ではなくて前方に表示されている時刻ですからね」と係員が何回も念を押していました。

特に問題なく過ごした後、待機場所を出ると次回の接種受付をするカウンターがあり、そこで2回目の予約をしてようやく解放されたのですが、会場を出たところで時刻を確認したところ10時半でしたので、全部で1時間半かかったことになります。

一連の確認作業・接種・待ち時間、2回目の登録、と順路もしっかりしておりすべてがスムーズに運んでおり、日本のニュースで聞いたような誤って同日に2回も接種を受けるというようなことは起きなさそうな印象でした。

筆者が体験したアストラゼネカの副反応

ワクチン接種後の副反応については事前に調べてあり、会場でも「数日間熱が引かなければ病院に」という説明をしていましたが、やはり実際に経験するまではわからないものです。

私の場合、接種後7~8時間くらいたった夕方からなんとなく体のだるさを感じ始め、夕飯は問題なく取れたものの、次第に倦怠感が増して、シャワーを浴びる時には悪寒もしました。まるで風邪の初期症状のよう。

これは来たなと思い、いつも夕食後に行うエクササイズはできず早めに寝ましたが、次の日も体のだるさが抜けず昼過ぎまでベッドから起き上がれませんでした。

なんとか回復したのが接種日翌日の夕方ごろから。

妻も職場でアストラゼネカの接種を受けましたが、私が経験したようなだるさはなかったものの、翌日から接種した部位の痛みが激しく腕が上がらず、それが1週間近く続きました。

友人や同僚にも聞いてみましたが、2~3日熱が出っぱなしだったという人もいればまったく普通に過ごしたという人もいて、副反応は本当に人によってさまざまなようです。

心配な方は、副反応による治療費を保証してくれるCovid-19保険に加入(数百バーツであります)しておくといいかもしれません。

2回目の接種日と今後の予定

アストラゼネカは1回目と2回目の間隔が12~16週間と広く、私の次回接種日は9月23日ということです。

現在、タイを含む東南アジアではこれまでにないほど新型コロナが猛威を振るっており、政府が本格的なロックダウンを検討しているようです。

私は、とりあえずシノバックより信頼のおけるアストラゼネカを2回受けて、もし将来変異株が不安なら、自己負担ですが私立病院でmRNAワクチンであるモデルナをブースター(追加免疫)として3回目の接種を受けることを考えていました。

しかし、バムルンラート病院によると、

  • アストラゼネカは新型コロナとデルタ型(インド型)を予防できるため、2回接種した人はモデルナを3回目として接種する必要なし。
  • シノバックを2回接種した人は、3~6ヶ月後にモデルナを3回目として接種することを推奨
  • まだ接種を受けていない人はモデルナを2回接種することを推奨(1回目と2回目の間隔は28日間)

ということで、私は結果的にアストラゼネカを選んでよかったということになります。

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最後に

ということで、以上が私がタイで体験した新型コロナワクチン接種の体験談になります。

日本ではモデルナまたはファイザーが一般的で、タイ在住者から見るとうらやましい限りですが、この状況下で職場でアストラゼネカのワクチンを接種してもらえたことを何よりも有り難く感じています。

多くの医学的研究により、ワクチンは私たちが新型コロナに感染するのを防ぐのに効果的であることが証明されており、ワクチン接種は感染の可能性を減らすだけでなく、感染した場合でも重症化を防ぐのにも役立ちます。

ただし、ワクチン接種が終わったあとも油断せず、マスク、ソーシャルディスタンス、密集地や換気の悪い場所を避ける、頻繁な手洗いなどの予防措置は取り続ける必要があります。 

安全で健康な生活を維持するためには、COVID-19に関連する情報を知り、理解を深め、人の意見に流されず自分で判断することが不可欠だと思います。

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